東京都杉並区の事業系ゴミ(産業廃棄物)の捨て方・条例・ルール・罰則を解説します
杉並区は、東京23区の最西端に位置する区であり、西側では武蔵野市や三鷹市に接しています。杉並区の産業の中で最も多くの割合を占めているのはサービス業となっており、同区の就業人口の90パーセント以上が従事しています。これに対して製造業などの工業は、わずか3パーセントほどを占めるのみです。
杉並区でサービス業を営んでいる事業者の中でも特に多いのが飲食料品小売業者です。同区内には、JR中央線の高円寺駅、阿佐ヶ谷駅、荻窪駅、西荻窪駅といった主要な駅がいくつもあり、これらの駅の周辺には大規模な商業エリアが広がっています。
また、周辺人口も多いことから、それぞれの駅前にはスーパーが複数店舗を構えており、これが飲食料品小売業の数を引き上げる要因の一つになっているというわけです。
杉並区は、都心部へのアクセスが良好ということもあり、第1種低層住居専用地域が占める割合が高くなっています。この第1種低層住居専用地域というのは、低層の住宅の良好な居住環境に特化したエリアを意味する用語であり、その近くには小中学校や住宅兼用の小規模な店舗やオフィスなどが混在するケースもあります。
代表的な第1種低層住居専用地域には、JR中央線の高円寺駅や阿佐ヶ谷駅の周辺エリアがありますが、それ以外にも京王井の頭線の久我山駅や浜田山駅の周辺も高い人気を有するエリアとなっているため、一度はその地名を耳にしたことがあるという方は少なくないのではないでしょうか。
なお、住居兼用のオフィスで飲食店などのサービス業を営む企業や個人事業主が多いため、杉並区において排出される事業ごみの中でも多くを占めるのは不燃ごみです。
杉並区は、緑豊かな自治体としても知られており、区内には大規模な公園がいくつも存在します。例えば、区の南部に広がる和田堀公園やその周辺の善福寺川緑地は、区民の憩いの場となっており、春には満開の桜を楽しむ人でにぎわいます。
また、区内北部の善福寺公園も同じく桜の名所ですが、最寄り駅であるJR西荻窪駅からは少し離れているため、静かに自然を楽しむのに最適です。
次に、杉並区で事業ごみを出す場合の方法について、見ていきましょう。
杉並区では、事業ごみを、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の2種類に分類しており、前者については一般廃棄物収集運搬許可業者、後者については産業廃棄物処理許可業者にそれぞれ委託して処理してもらうことが原則となっています。
ただし、小規模事業者で、かつ排出量が少ない場合に限って、区に有料で収集してもらうことが可能です。区に収集してもらう場合には、家庭ごみと同じように分類した上で、排出量に応じた金額相当の有料ごみ処理券をコンビニなどで購入し、ごみ袋に貼付して所定の収集日に出す必要があります。
一方、家庭ごみの場合には、事業ごみと違って有料ごみ処理券を購入する必要はありません。燃えるごみ、燃えないごみ、資源ごみ(段ボール・古紙、ペットボトル、缶、ガラス瓶)に分類した上で、それぞれ定められた収集日にごみステーションなどに出しておけば、作業員が回収してくれるのです。
マニフェスト(manifesto)は、個人や団体が方針や意図を公に発信するための文書や演説のことを言い、産業廃棄物のマニフェストは、排出事業者が産業廃棄物の処理を産廃業者に委託するにあたり、委託契約内容に基づき適正に処理されていることを確認するために必要な事項を記載し交付される伝票のことを指しています。
排出事業者とはごみを出す法人のことを言い、東京23区については日量100キログラム以上排出する事業者もしくは臨時で排出する事業者は事業系一般廃棄物についてもマニフェストの作成が義務付けられています。
杉並区の産業廃棄物の料金相場を把握するために、ここでは同区で事業ごみを扱ってる5つの業者の料金を見ていきましょう。なお、紹介する金額は、いずれも燃えるごみを45リットル袋で1袋分処理してもらう場合に必要となるものです。
ごみ.Tokyo | 約343円 |
A社 | 1,200円 |
B社 | 1,250円 |
C社 | 1,300円 |
D社 | 1,300円 |
E社 | 1,200円 |
杉並区では、国連が提唱するSDGsの達成に向けて、食品ロスの削減に向けた取り組みを推進しています。同区では、年間に2,500トンもの未利用食品がごみとして排出されていると言われており、これを減らすことによって食品ロスを防ぐことが可能です。
そのための方策として、杉並区では、未利用食品を持ち寄って、福祉団体や施設などに寄付するフードドライブという活動を実施したり、お店で売れ残りそうな食品をアプリを通じて割安で購入できるフードシェアリングサービスなどを実施しています。
SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を省略した言葉で、2015年9月の国連サミットで国連加盟193か国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標を指しています。
SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に対する取り組みとして、日本でも産業廃棄物の排出に伴う適切な処理についてルールが整備されています。「つくる責任、つかう責任」にはターゲットと呼ばれる、11の更に具体的な目標が掲げられており、そこには具体的に以下のような内容が示されています。
11のターゲットの例:
・2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
・2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。