東京都新宿区の事業系ゴミ(産業廃棄物)の捨て方・条例・ルール・罰則を解説します
新宿区は、東京23区のうちの1つで、1日の乗降客数が世界一を誇る新宿駅を有する行政区です。新宿駅の周りには、西は大規模なオフィス街、東は日本を代表する商業エリア・歓楽街が広がっていて、業種はサービス業はもちろん、飲食・宿泊業、そして、卸売・小売業が盛んであることも特徴的です。
伝統的な地場産業としては「大日本印刷株式会社」に象徴される出版・印刷業が有名で、文京区との境から神田川南側の広範囲には出版・印刷系の事業所が集中しています。
新宿区は飲食業の多さが非常に顕著です。産業構成のデータでも、飲食・宿泊業は2位に位置し、サービス業についで全体の約2割を占めているほどです。食品関連の大手企業としては、日清食品ホールディングス(株) 、日本マクドナルドホールディングス(株) 、雪印メグミルク(株)などが新宿区内に拠点を構えています。
新宿駅より北へ電車で1~2駅離れた、新大久保駅や高田馬場駅が位置するエリアも非常に多くの飲食店が密集するエリアです。特に新大久保駅周辺は韓国系の居住者も多く、本格的な韓国料理・アジア系料理を楽しめる一角として親しまれています。高田馬場駅周辺も国際色の強さは残しつつ、多くの大学や専門学校が集積しており、学生達も利用しやすいリーズナブルなグルメが立ち並ぶエリアです。
新宿区は商業地域や第1種中高層住居専用地域の占める割合の高いエリアです。商業地域は、商業における利便性を図ることに特化したエリアのことを指し示す言葉です。住宅や小規模な工場なども混在しますが、主には銀行や映画館、飲食店や百貨店、オフィスが立ち並ぶエリアです。
第1種中高層住居専用地域は、中高層住宅の良好な居住環境に特化したエリアのことを指し示す言葉です。近隣に設けられる大学や病院のほか、その他の目的の建設物(店舗やオフィスなど)には500平方メートルという規制が設けられています。
新宿区は新宿駅の印象が強く、歓楽街やショッピングエリアという印象が先行しがちです。しかし、東京メトロ新宿御苑前駅至近の「新宿御苑」は、都会のオアシスといえるほどの広大な公園として知られています。日本庭園はもちろん、中国やイギリス風のデザインを施した庭園、四季折々の草花を楽しめます。公園内の芝生の上でのんびりと時を過ごすと、大都市の真ん中にいるとは思えないような安らぎの空間に包まれることでしょう。
また、東京五輪開催に向けて建て替えられた、新国立競技場(オリンピックスタジアム)も新宿区に位置しています。そのすぐ側の、神宮外苑の中心的な建物である聖徳記念絵画館は、貴重な歴史的建造物で、夜間のライトアップでも見応え十分です。
新宿区の事業ごみの処理の仕方を、家庭ごみと比較しながら確認していきます。
新宿区では、家庭ごみと事業ごみに大きく分けた場合、家庭ごみについては自治体側が回収・処分を請け負います。それに対して、事業ごみは原則、事業者の責任と費用を持って適正に処理することが定められています。
家庭ごみは、決められた日にきちんと分別を行った状態で指定の集積所へ排出しますが、一辺の長さがおおむね30cmを超える家具、電気製品などは粗大ごみ扱いとなり、予約制の戸別収集によって回収されます。粗大ごみを出す家庭はあらかじめ品目に応じた額のごみ処理券を購入し、予約日の朝までに処理券を貼付した回収品目を自宅前などに排出しなければなりません。
事業ごみは、一般廃棄物、産業廃棄物問わず、事業者自らが適正な免許を持った廃棄物処理業者へ処分を委託する必要があります。事業ごみを合法に処理できる一般廃棄物処理業者、産業廃棄物処理業者共に、新宿区公式サイト経由で具体的に確認できるようになっています。
ただ、10kgを超える一般廃棄物に関しては、管轄の清掃センターへ事業者側で搬入することも可能です。さらに、自己処理責任の例外として、自己処理が困難な事業者で、1日当たりのごみ排出量が50kg未満の場合、事業系有料ごみ処理券を貼付したうえで、家庭ごみと同じく区の収集を利用することが認められています。ちなみに、事業系の粗大ごみに関しては、品目や分量を問わず自治体による戸別収集は利用できません。
マニフェスト(manifesto)は、個人や団体が方針や意図を公に発信するための文書や演説のことを言い、産業廃棄物のマニフェストは、排出事業者が産業廃棄物の処理を産廃業者に委託するにあたり、委託契約内容に基づき適正に処理されていることを確認するために必要な事項を記載し交付される伝票のことを指しています。
排出事業者とはごみを出す法人のことを言い、東京23区については日量100キログラム以上排出する事業者もしくは臨時で排出する事業者は事業系一般廃棄物についてもマニフェストの作成が義務付けられています。
それでは、新宿区での事業ごみの回収・処分に対応している業者の回収料金を、「燃えるごみ45L袋1袋分」を共通の指標として比較していきましょう。
そして、業者プランは軽トラック積み放題のプランを紹介します。軽トラックには45Lごみ袋は30袋まで載せられると仮定しています。
ごみ.Tokyo | 約343円 |
約660円 | |
B社 | 約500円 |
C社 | 約990円 |
D社 | 約830円 |
E社 | 約630円 |
新宿区は、世界的な社会のあり方の到達指標といえるSDGsと呼応するように、ごみの発生自体を抑えた資源循環型社会の構築を目指しています。ごみ発生抑制のために、食品ロスや生ごみの減量、簡易包装の促進などについて、従来以上に区民意識の喚起に努める予定です。古紙やプラスチックに止まらず、金属・ガラス類、粗大ごみの再資源化にも本腰を入れ、循環型社会を更に志向します。
さらに、事業者に廃棄物の適正処理を促すために、排出事業者、処理事業者双方に対して、行政側からも実践的な指導を強めていく方針です。
SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を省略した言葉で、2015年9月の国連サミットで国連加盟193か国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標を指しています。
SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に対する取り組みとして、日本でも産業廃棄物の排出に伴う適切な処理についてルールが整備されています。「つくる責任、つかう責任」にはターゲットと呼ばれる、11の更に具体的な目標が掲げられており、そこには具体的に以下のような内容が示されています。
11のターゲットの例:
・2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
・2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。