東京都板橋区の事業系ゴミ(産業廃棄物)の捨て方・条例・ルール・罰則を解説します
板橋区は、埼玉県境の東京都北西部に位置しています。東京23区の中では、内陸部に工業地域を持つ唯一の区です。戦前から軍需産業が盛んだった流れを受け、今では精密機械や光学機器を扱う企業の本社や工場があり、大手メーカーの下請けとなる中小企業や職人的な技術を持つ個人事業主もいるようです。
製造業が盛んであることは、2017年の製品出荷額は4,000億円を超え、大田区に次いで第2位になったことからもわかります。また、中山道や川越街道、環状線や首都高速など、主要道路が多い利点を生かして、運輸業なども盛んです。
板橋区には、さまざまな特徴を持つ印刷業者や印刷関連会社が集結しています。特に多く集まっているエリアが、中山道沿いです。日本橋から延びる中山道を挟むように多くの印刷会社や事務所が立ち並んでいますが、これは印刷に必要な原材料や印刷物をいち早く運ぶため、東京都内にも埼玉にもアクセスのよい立地が好まれていることが考えられます。
板橋区は第1種中高層住居専用地域の占める割合の高いエリアです。第1種中高層住居専用地域は、中高層住宅の良好な居住環境に特化したエリアのことを指し示す言葉です。近隣に設けられる大学や病院のほか、その他の目的の建設物(店舗やオフィスなど)には500平方メートルという規制が設けられています。
板橋区は北部が工業地域、西部が商業地域となっているものの、その他の多くのエリアは第1種中高層住居専用地域に指定されています。特に高島平駅周辺に昭和40年代に建てられた高島平団地は、建設当時は東洋一のマンモス団地として知られていました。後から作られた高層住宅と合わせ、合計10,000戸ほどの住居があり、都心への通勤が便利で、住みやすい環境が整えられているようです。
高層住宅が立ち並び、人口が多い住居地域では、生ごみやプラスチックなどの家庭ごみが多くなります。また、マンションなどの下層階や周辺にスーパーマーケットや商店街などができるので、商品の梱包材や生鮮食品を加工した後に出る廃棄物が多くなることが考えられます。
商店街を中心に街並みが形成されることは良くあるものです。例えば、東武東上線の大山駅に近い東京三大商店街の一つに数えられるハッピーロード大山商店街は、単に買い物が便利にできるだけではありません。様々なイベントを開催したり、子育て支援や障がい者の社会参加を促すコミュニティ事業も行っていて、周辺地域に住む人たちにとって社会参加の場となっています。
また、練馬区にまたがる城北中央公園は、運動施設の他に児童公園や広場などもあり、様々な年齢層の方の健康を支えるとともに、小さなお子さんがいる方も安心して利用することができます。
板橋区では家庭ごみと事業ごみに分けて出す必要があります。家庭ごみを捨てる場合は、可燃ごみと不燃ごみ、古紙・びん・缶・ペットボトルなどの資源ごみに分け、自治体が指定する曜日や日にちに、ふた付の容器や半透明のごみ袋に入れるなどして出します。なお、資源ごみを出す場合は、紙類は束ね、その他のものは回収コンテナに入れます。
最大辺の長さが30センチメートル以上のものは粗大ごみです。粗大ごみは、受付センターで申し込みをし、有料ごみ処理券を貼って、指定された収集日の朝に、指定場所に出す必要があります。
事業ごみは、家庭ごみの収集に支障が出ない範囲で回収してもらうことができます。ただし、事業ごみはすべて有料になり、有料の事業ごみ処理券を貼って出す必要があります。また、資源ごみは家庭ごみと同様に、分別して出すことが大切です。
板橋区ではオフィスリサイクルシステムを導入しており、このシステムを利用することで大量の古紙などを比較的少ない費用で出すことができます。なお、事業系の粗大ごみは、粗大ごみ受付センターでは取り扱っていません。各事業所で処理するか、ごみの種類によって一般廃棄物と産業廃棄物に分け、それぞれの廃棄物取扱業者に依頼する必要があります。
マニフェスト(manifesto)は、個人や団体が方針や意図を公に発信するための文書や演説のことを言い、産業廃棄物のマニフェストは、排出事業者が産業廃棄物の処理を産廃業者に委託するにあたり、委託契約内容に基づき適正に処理されていることを確認するために必要な事項を記載し交付される伝票のことを指しています。
排出事業者とはごみを出す法人のことを言い、東京23区については日量100キログラム以上排出するもしくは臨時で排出する事業者は事業系一般廃棄物についてもマニフェストの作成が義務付けられています。
板橋区の産業廃棄物の料金の相場ですが、料金の比較がしやすくなるよう、事業ごみを出す場合によく使われる45リットルのごみ袋一袋に換算して記載します。
また、A社では、定期収集を行うことを条件に、45リットル一袋当たり455円としています。都内を営業エリアとするB社では、軽量混合廃棄物1立方メートル当たり14,300円としており、45リットルに換算すると640円程度です。
産業廃棄物を出す場合は、ごみの種類やサービスの内容により、価格が大きく異なることがあります。例えば、C社では、4トンアームを使用してのサービスで、価格は25,000円から35,000円程度としています。こちらは45リットルに換算すると1,100円から1,600円程度となりますが、大量の産業廃棄物が出たり、大型のコンテナを置くことができる工場や事業所であれば、使い勝手の良さを感じるはずです。
また、D社では、1キログラムで税込み71.5円としており、45リットルに換算すると610円ほどです。なお、こちらは廃プラ・木くず・紙くず・多少の金属類など可燃性の混合廃棄物を出す場合の料金となります。
ごみ.Tokyo | 約343円 |
A社(定期収集) | 455円 |
B社 | 約640円 |
C社 | 約1,100円~1,600円 |
D社 | 約610円 |
板橋区では、廃棄物削減に資する具体的な取り組みを進めることで、SDGsに賛同しています。例えば、町内会や自治体、マンションの管理組合など10世帯以上の団体から古紙や古布などを資源として回収し、効率的にリサイクルに回す仕組みを構築しています。
また、「みんなの食べきりチャンレジ」と題するリーフレットを作成し、食品ロスを減らすための啓もう活動を行ったり、家庭で余っている食品や飲料を回収し、フードバンクなどを利用して地域の福祉団体や施設に提供する活動を支援しています。
SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を省略した言葉で、2015年9月の国連サミットで国連加盟193か国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標を指しています。
SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に対する取り組みとして、日本でも産業廃棄物の排出に伴う適切な処理についてルールが整備されています。「つくる責任、つかう責任」にはターゲットと呼ばれる、11の更に具体的な目標が掲げられており、そこには具体的に以下のような内容が示されています。
11のターゲットの例:
・2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
・2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。