事業系ゴミ回収業者の選び方・選定ポイント・信頼できる業者の選び方について
ごみの処分のことで悩んでいる事業者もいるかもしれません。
一般家庭で出されるごみとは違い、事業ごみを処分するのは手間がかかります。
そこで、廃棄物処理業者に処分を依頼しようと考えている人もいるのではないでしょうか。
今回は廃棄物処理業者について、営業を行うのに資格や許可が必要なのか、優良業者を探す方法などを紹介していきます。
廃棄物処理業者といっても、事業内容は業者によって大きく変わります。
廃棄物を処理するためには、ごみの回収や処理施設への運搬、埋め立てなど様々な作業が必要です。そのため、廃棄物処理業者の事業内容も役割ごとに異なってきます。
廃棄物処理業者の事業内容は、大きく分けると「収集運搬業」と「処分業」の2つに分かれます。
事業者にとって一番身近になるのが、廃棄物の収集や運搬といった収集運搬業を行う業者でしょう。オフィスなどに出向き廃棄物を回収し、保管場所や処分施設まで運搬するのが主な仕事です。事業者が産業廃棄物などのごみを処分しようと思った時は、ごみの収集・運搬を行う業者に依頼することになります。ごみの搬入や搬出を行うのも、廃棄物処理業者の事業内容の1つです。
回収されたごみを処理施設で受け入れ、処理計画を立てたり施設の維持管理を行ったりします。
これらの事業は、処分業の中でも中間処理業と言われる分野になります。集められた廃棄物を、最終的に処分する業者も存在します。回収されたごみを受け入れるかどうかの判断、登録されたマニフェストが適正かどうかなどを確認した上で、ごみの埋め立てや覆土作業を行います。埋め立て管理計画を立てたり、コスト管理をしたり、処分場の全般管理も行う最終処分業と言われる仕事です。他にもごみの処分に関する研究開発、環境への対応など、廃棄物処理業者は様々な事業を行っています。
廃棄物の処分方法は法律で細かく決められています。そのため、廃棄物の運搬や処理を行う場合には資格や許可が必要になります。では、実際どのような資格や許可が必要になるのか、詳しく見ていきましょう。
廃棄物処理に必要な資格は?
廃棄物処理に必要な資格は、廃棄物の種類によって変わります。
一般廃棄物処理施設と産業廃棄物処理施設には、廃棄物処理施設技術管理者の資格を持つ人を設置するように義務付けられています。廃棄物処理施設技術管理者は国家資格で、資格所有者は処理施設でごみが適正に処理されているか、施設がしっかり維持管理されているかなどを監督しなければなりません。
資格を取得するためには、一般財団法人日本環境衛生センターが行っている講習を修了する必要があります。基礎・管理課程講習と管理課程講習の2種類あり、それぞれ受講条件が変わります。基礎・管理課程講習は20歳以上の人なら誰でも受講できますが、管理課程講習は学歴などに応じて実務経験が必要になります。医療機関などから排出される、特別管理産業廃棄物の管理や処分を行うためには特別管理産業廃棄物管理責任者の資格が必要です。感染性の高い産業廃棄物や特定の有害廃棄物などは取り扱いが難しく、専門的な知識や技術が求められるためです。
廃PCBや廃石綿などの特定有害物質、pH12.5以上の廃アルカリやpH2.0以下の廃酸など、対象となる廃棄物を処理する施設には特別管理産業廃棄物管理責任者を置くことが義務付けられています。特別管理産業廃棄物管理責任者の資格は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが主催する講習を受講した上で、試験に合格する必要があります。取り扱う廃棄物によって、受講資格が変わります。
廃棄物処理には各自治体からの許可が必要!
廃棄物処理を行うためには許可が必要になりますが、一般廃棄物と産業廃棄物では管轄が異なります。
一般廃棄物は市町村長の許可、産業廃棄物は都道府県知事と一部政令市長の許可を得なければなりません。申請するためには、許可申請書や事前計画書が必要です。必要書類を用意した上で、管轄の市区町村、都道府県の専用窓口で申請を行う必要があります。管轄によって変わりますが、基本的に事前予約が必要です。また、申請には手数料がかかります。
東京都で申請を行う場合の手数料を例に挙げると、新規で収集運搬業の許可申請を行う場合で81,000円、処分業の許可申請で100,000円です。手数料は自治体によって変わるようです。もしエリアをまたいで収集運搬業を行う場合は、それぞれのエリアで許可を得る必要があるので、運搬業者が適切に許可を得ているか注意して確認してください。収集運搬業の許可というのは、一般廃棄物であれば申請した市区町村内、産業廃棄物であれば都道府県内のみ有効となります。
事業者が専門業者に依頼して事業ごみを処分する場合、許可を得た廃棄物処理業者に依頼する必要があります
。許可を得ずに営業している業者に依頼すると、法令違反になるだけではなく、ごみを不法投棄される、法外な手数料を取られるといったトラブルに巻き込まれる可能性があるので、注意してください。許可を受けた業者を探す方法はいくつかありますが、産業廃棄物処理業者検索システムを利用するとよいでしょう。これは、環境省や各都道府県が提供しているサービスで、許可を得ている廃棄物処理業者を簡単に検索することができます。サービスによって変わりますが、業者の許可番号や代表者名、住所、扱っている廃棄物などから検索可能です。
しかし、許可を得た業者だからといって、優良な業者とは限りません。
優良な廃棄物処理業者を探す時は、優良産廃処理業者認定制度の認定を受けているかをチェックするとよいでしょう。優良産廃処理業者認定制度は、都道府県や政令市が廃棄物処理業者を審査して認定する制度です。遵法性や事業の透明性、環境配慮の取組など様々な基準に適合しなければ、認定を受けることができません。優良産廃処理業者認定制度の認定を受けているかどうかチェックすれば、優良業者を見つけやすくなるでしょう。
事業ごみは家庭で出されるごみと同じように処分することができません。そのため、専門の廃棄物処理業者に処分を依頼する人が多いです。廃棄物処理業をするためには、様々な資格や許可が必要になります。違法な営業を行う悪徳業者に騙されないためにも、資格や許可を得た正規の業者かどうかを見極めることが大切です。検索システムなどを活用して、優良な廃棄物処理業者を探してください。