ゴミのリサイクル・SDGs・3R活動・循環型社会に向けた取り組みについて
「最近、アップサイクルが話題になっているけどなんなんだろう?」
「アップサイクルとリサイクルは一緒じゃないの?」
このように、アップサイクルについて詳しく知りたいと思っている方は、多いのではないでしょうか。この記事では、アップサイクルに関する基礎知識から事例、メリット・デメリットまでを詳しく解説していきます。昨今、世界では環境をよくする取り組みとして、廃棄物の削減に力を入れています。
廃棄物の削減として注目されているのがアップサイクルです。アップサイクルを理解することで、新たな商品を生み出せるかもしれません。アップサイクルの知識を深めるためにも、この記事をチェックしてみてください。
製造工程で出る廃棄物や副産物の素材をそのまま活かし、デザインやアイデアなどの付加価値を付けて、新しいものへとアップデートするのがアップサイクルです。廃棄物に付加価値を付けることで、新たな商品として生まれ変わります。また、モノの寿命を伸ばす役割も果たします。
廃棄物を分解し再資源化して、新しい製品の原料として再利用するのがリサイクルです。たとえば、ペットボトルのキャップを分解して、ボールペンやクリアファイルの原料を作り出します。
一方、アップサイクルは廃棄物や不用品を分解せず、素材や特徴をそのまま活かします。素材を原料にするかそのまま使用するかの違いです。リサイクルは主に生産と流通の段階では川上に利用されます。アップサイクルは川下で利用されることが多いです。
アップサイクルの事例を業種ごとに紹介していきます。
・オレンジの皮やバラの花びら、パルプの成分を利用したバイオガスやフレグランス
・コーヒーかすやオリーブの種、ココナッツの殻を使用したスキンケア商品
・不要になったカラーコスメを活用したクレヨン
・黄えんどう豆100%のヌードルや野菜や豆、穀物などの素材をまるごと使用したZENBペースト製品(ミツカンZENBプロジェクト)
・サンドイッチの製造過程で発生したパンの耳で地ビールを醸造(アサヒグループ)
・野菜のへたや果物の皮を使用したスナック菓子の販売(オイシックス)
・規格外のじゃがいもを原料とした発酵アルコールとお米の除菌ウエットティッシュ(カルビー)
・残土やがれきの残さを建設に使用するブロックに活用
・空き家を活用した古民家再生事業や民泊
・不要となった自転車のチューブやシートベルトを利用して作られたバック
・リサイクルしにくいビニール傘を活用したトートバック
アップサイクルは多くの業種で取り入れられています。リサイクルなどと比べてコストを抑えられるため、導入しやすいのが要因でしょう。
アップサイクルがもたらすメリットは以下4つが挙げられます。
①コスト削減ができる
②エネルギー削減ができる
③元の製品より高い価値を提供できる
④企業の効率的なPRに使用できる
メリットを知っておくことで、アップサイクルで新たな商品を意義を知ることができるでしょう。
廃棄物を原料にもどすには分解する工場などを用意する必要があります。しかし、素材をそのまま活かすアップサイクルは、原料に戻すための工場を必要としないため、比較的費用がかかりません。また、代替素材として活用することで素材を仕入れるコストも削減できます。
廃棄物をそのまま活かして新しいモノを生み出すため、分解したり溶かしたりするエネルギーを必要としません。リサイクルなどと比べて省エネルギーなのがアップサイクルです。地球環境にやさしい廃棄物の活用方法といってもいいでしょう。
付加価値をつけることで、廃棄物としての価値の何十倍もの価値に変えられます。もともと価値がなかったものに価値をつけることができるのがアップサイクルの魅力です。
SDGsなど環境への意識が高い昨今は、アップサイクルを取り入れることで企業として宣伝効果が期待できます。テレビや新聞、インターネットのニュースなどに取り上げられる可能性が高まるでしょう。消費者や投資家の目にふれやすく、社会的な評価を高められる機会になります。
廃棄物があることが前提としているのが唯一のデメリットです。アップサイクルは廃棄物がないとできません。しかし、企業の廃棄物による環境対策は前提として、廃棄物の量を減らしたり廃棄物をできるだけ出さないように努めることです。また、元の廃棄物が環境に負荷をかけないように配慮することも含まれます。アップサイクルしなくても済む努力をすることが、環境保全の対策としてもっとも大切です。
アップサイクルは昨今注目されている廃棄物の再利用方法のひとつです。アップサイクルをすることで、廃棄物に新たな価値を生み出すことができます。この記事を参考にして、アップサイクルに取り組んでみてください。