ゴミのリサイクル・SDGs・3R活動・循環型社会に向けた取り組みについて
「プラスチックゴミが最近騒がれているけど何が問題なんだろう?」
「プラスチックゴミを減らす世界の取り組みを詳しく知りたい」
このように、プラスチックのごみ問題について詳しく知りたいと思っている方は、多いのではないでしょうか。この記事では、プラスチックごみが引き起こす問題から日本や世界が取り組んでいるプラスチックごみ削減の方法について詳しく解説していきます。
プラスチックは身近にある素材で用途が多くあり便利であることは間違いありません。しかし、プラスチックを多用することで、環境に悪影響をもたらしていることも事実です。
現在のままプラスチックを使い続けてしまうと、人や動物が住みづらい環境になってしまう可能性が。プラスチック削減の方法を知るためにも、この記事をチェックしてみてください。
プラスチックごみは人や動物へ害を及ぼしたり、環境へ悪影響を及ぼしたりします。プラスチックごみが引き起こす問題は以下の3つが挙げられます。
①温室効果ガスの問題
②海洋汚染問題
③石油燃料の枯渇
上記3つの中でも「温室効果ガス」と「海洋汚染」の問題は特に深刻です。プラスチックを燃やすと温室効果ガスの一部であるメタンやエチレンが放出されます。
また、プラスチックが劣化する過程でも同じ物質が放出されるという研究結果も出ています。年々気温を上げている温室効果ガスを発生させる原因の一つが、プラスチックごみといっていいでしょう。
海洋汚染ではプラスチックの性質が問題を引き起こしています。プラスチックは分解されて自然に戻る性質を持っていません。
2050年には海にいる魚の量よりもプラスチックが多くなるとも言われています。また、プラスチックを食べた魚や鳥が死ぬケースも増えてきているのが現状です。
日本でもプラスチック削減の取り組みは国や自治体、企業単位でおこなわれています。国や団体がおこなっている代表的な取り組みが以下3つです。
プラスチックごみの海への流出を防ぐのが目的。廃棄物処理制度による回収や漂着ごみの回収、代替素材への転換を率先して取り組み、「新たな汚染を生み出さない世界の実現」を目標としている
プラスチックごみのポイ捨ての撲滅や分別回収、排出量の抑制、リサイクル・リユースを推進
資金提供でプラスチック消費量を削減するシステム
自治体や企業単位でみていくと、神奈川県は2023年までにプラごみゼロを目指す「かながわプラごみゼロ宣言」を掲げてコンビニエンスストアやスーパーマーケット、レストランと連携しプラスチック製ストローやレジ袋の廃止の取り組みをおこなっています。
他にはエコストアでの洗剤の量り売りやスターバックスやIKEAの使い捨てプラスチックの廃止、無印良品の水プロジェクトなどが挙げられます。
世界でもプラスチック削減に向けた取り組みが多くなされており、各国さまざまな規制を設けています。ここでは、世界のプラスチック削減対策をみていきましょう。
欧州連合のEUでは、使い捨てプラスチック製品の流通を禁止する「EUプラスチック戦略」を2019年5月31日に策定しました。2021年7月3日にはプラスチック製や発泡スチロール製の使い捨て容器の流通を禁止しています。
最もプラスチックごみを出しているアメリカでは、2020年に海洋ごみ全般への対策として「Save Our Seas 2.0」を制定しました。
プラスチックごみ対策に関する技術には懸賞システムを設けたりプラスチックごみをインフラへ利用、かんたんにリサイクルができるインフラ強化などを取り入れています。
中国では2022年末までにプラスチック袋の利用を禁止(生鮮食品は2025年まで)する政策が取られました。
2025年には宿泊施設で無料提供されるプラスチック製品を使用したアメニティが禁止されます。徐々にプラスチック製品の取り扱いをなくしていくのが中国の特徴です。
アフリカ諸国は元々プラスチックごみに対する意識が強く、脱プラスチックの先進国と言われています。現在では、アフリカ54カ国中30カ国でプラスチック袋が禁止されています。
UAEでは、2024年より使い捨てプラスチックの使用が禁止されます。また、プラスチック製のドリンクカップやカトラリーなどの輸入も禁止になる予定であり、世界で最も早い規制を取った国です。
プラスチックごみは世界全体の問題であり、各国が独自の戦略を用いて削減に取り組んでいます。今後も世界全体でより厳しい規制が設けられ続けるでしょう。
プラスチックごみ問題の解決は企業や個人それぞれができるだけ排出しない、利用しないという意識を持って今後も取り組んでいく必要があります。