事業系ゴミや産業廃棄物の法令・条例の基本ルールと罰則について
私たちが普段使っている携帯電話やパソコン、モバイルバッテリーなどは小型家電に分類され、国を挙げて回収を進めています。この大きな目的は資源のリサイクル。そのために施行されたのが小型家電リサイクル法です。
小型家電リサイクル法は一般家庭はもちろん、事業者にとっても知っておくべき大切な制度です。また事業者は、一般家庭とは違う処分方法をしなければいけません。この記事では、小型家電リサイクル法の概要と事業者が取り組むべき正しい処分方法について紹介しています。
量販店やスーパー、自治体で「小型家電回収ボックス」というのを見たことはありませんか?これは小型家電リサイクル法の一連として進めている施策です。小型家電にはリサイクルの可能な資源が豊富に含まれています。例えば、鉄やアルミ、レアメタルといったところです。
過去にはこれらの資源を無駄にゴミとして処理していました。日本では年間、約65万tもの小型家電がゴミとして捨てられていたそうです。大切な資源を有効活用しようとして始まったのが、2013年4月に施行された小型家電リサイクル法です。
小型家電リサイクル法により、一般家庭や事業者から多くの資源が集まりました。近年では小型家電リサイクル法で集めたレアメタルを利用し、東京2020夏季オリンピックでメダルを制作したのは記憶に新しいでしょう。
また携帯会社各社も小型家電を積極的に回収しています。回収した携帯電話は分解したのち、使える部品を再利用してリユース商品に充てています。
小型家電リサイクル法の対象品目は約400品目にも及びます。代表的なものは以下の通りです。
小型家電リサイクル法で回収する品目は壊れていても問題ありません。またパソコンは部品が不足していてもOK。自治体によってはゴミとして処理すると有料のところもありますが、自治体の認定事業者に持っていくと無料で回収してくれます。詳しくは各自治体のHPで確認してみてください。
さて、事業者が小型家電を廃棄する場合は、一般家庭のように回収ボックスや民間業者による回収はできません。使用者が「事業者」というだけで、小型家電の廃棄方法は異なってくるのです。
事業者から出た小型家電は、許可が下りた認定業者へ委託することで廃棄が可能です。このとき注意したいのが認定業者の件。「産業廃棄物処理業」「古物商」これらの許可では、小型家電の廃棄を委託することはできません。
また小型家電の回収にあたっては、この2つの許可は「無許可事業者」と判断されるため、委託しないようにしましょう。自治体の認定業者は、各自治体のHPに掲載されていますので、そちらをご確認ください。
パソコンの廃棄ですが大きくわけて2つ方法があります。
事業所で使った不要パソコンは、産業廃棄物に指定されています。そのため、回収業者はほかの小型家電と異なり「産業廃棄物処理業者」に委託するようにしてください。ほかにも製造メーカーに回収してもらう方法もあります。
ゴミと思われる小型家電も、私たちには欠かせない立派な資源です。限られた資源を有効活用するためにも、事業者は積極的に小型家電リサイクルに取り組むようにしましょう。
いちばん気をつけたいのが、小型家電の廃棄方法です。自治体や量販店などに設置されている回収ボックスは利用できませんので、必ず認定を受けた業者に委託し正しい処理でリサイクルしてもらうようにしましょう。中には悪徳業者も潜んでいます。トラブルの発展につながる可能性があるため、うまい話には乗らないようにしてください。