事業系ゴミや産業廃棄物の法令・条例の基本ルールと罰則について
産業廃棄物の保管場所には、看板の設置が義務付けられています。
実は看板には記載しなければいけない情報や、指定の大きさなど細かい条件が多くあります。
そこでこの記事では、産業廃棄物の保管場所に設置する看板について詳しく解説していきます。
産業廃棄物の保管場所とは、廃棄物によって生活環境に支障が出ないように保管するための場所。
保管場所は原則として、産業廃棄物が発生した事業場の敷地内です。
一般的な社内やビル内のゴミ箱や、分別ボックスが並んでいるゴミステーションなどではなく、数週間〜1ヶ月ほど廃棄物を保管する場所や、
ビル内のゴミ専用の集積所などが産業廃棄物の保管場所になります。
保管場所の施設では、地下浸水、飛散流出、悪臭の発生を抑えたり、
汚水が発生する場合は排水溝を整えたりなど、環境汚染を抑制できるだけの設備が必要です。
事業活動によって産業廃棄物が発生した場合は、運搬されるまで排出事業者が適切に保管する必要があります。
保管場所には看板・掲示板を設置するなど、産業廃棄物の保管基準に従い、近隣の生活環境に支障がでないように保管しなければいけません。
保管場所には、積替え保管・処分をするうえでの保管場所と、収集業者に運搬されるまで保管する場所があります。
明確な定義はありませんが、産業廃棄物の荷重が囲いに直接かかる場合は、その荷重に耐えられるだけの構造であることが大切です。
また保管場所には積み上げ高さの制限もあり、屋外で容器を用いずに保管するときは、廃棄物が囲いに接しない場合と、接する場合で上限の高さが異なります。
囲いに接しない場合は、囲いの下端から勾配50%以下で、
囲いに接する場合は、囲いの内側2m以内では囲いの高さより50cm以下、囲い内側2m以上では勾配50%以下で収めなければなりません。
また産業廃棄物の自社保管を行うときは、事前に都道府県知事に届け出を提出し、許可を得なければいけません。
そのため産業廃棄物の保管に関しては、仮置きや一時保管などの概念はなく、
短期間の保管であっても、廃棄物処理法における不法投棄と見なされる可能性があります。
廃棄物処理法に違反すると「5年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金」の罰則を受ける可能性があるため、注意しましょう。
出典:JWセンター 産廃知識 産業廃棄物の運搬・保管等の表示
産業廃棄物を保管するときは、廃棄物処理法に従う必要があり、その基準の一つが看板・掲示板の設置です。
また看板には記載しなければいけない情報や大きさにも細かい条件があります。
ここでは、保管場所の看板について詳しく解説します。
産業廃棄物の保管基準の一つである看板には、明記しなければならない情報が指定されており、廃棄物に関する情報表示の法定義務があります。
表示義務を厳守するためには、以下の情報を看板に掲示しましょう。
種類については、主な廃棄物だけでなく、すべての種類を記載しなければいけません。
また水銀使用製品産業廃棄物、石綿含有産業廃棄物、水銀含有ばいじんなどが含まれている場合は、必ず明記しましょう。
氏名または名称は、管理者が個人事業主の場合は氏名、法人の場合は会社名を記載すれば問題ありませんが、
部署名や個人名を記載しておくと、よりスムーズに対応できます。
連絡先は万が一トラブルがあった場合に、迅速に連絡が取れるようにするために記載します。
そのため内線番号ではなく、携帯電話や外線の電話番号を記載する方がいいでしょう。
情報に不足がある場合は、看板を設置していても無効になってしまう可能性があるため、情報が漏れていないか確認することが大切です。
産業廃棄物の保管場所に設置する看板には、大きさにも条件があります。
看板の大きさは縦60×横60cm以上と決められており、サイズが小さいと設置していないのと同義と取られることもあるので注意が必要です。
また文字の大きさには指定はありませんが、遠くからでも目視できる大きさにしておくといいでしょう。
条件が満たされていない場合は、自治体などの指導が入ったり、
看板の再設置などを求められたりすることもあるため、大きさをしっかり測っておくことが大切です。
Q. 一般廃棄物には看板を掲げる義務はありますか?
一般廃棄物についても、人がみだりに入らないよう、積替えや保管場所であることを示す看板を設置する必要があります。
運搬前の保管基準は市町村によって異なる場合があるため、地域ごとの条例を確認することが重要です。
Q. 産業廃棄物保管場所の掲示板の設置場所は?
産業廃棄物保管場所の掲示板は、通常の出入り口付近で、外から見やすく、雨やいたずらに強い場所に設置しましょう。
この記事では産業廃棄物の保管場所に設置される看板について解説してきました。
保管場所は周辺環境に影響を与えないように管理を行い、看板は定められた情報を明記する必要があります。
これらの措置は、トラブル回避や近隣住民の安全を確保するために重要であり、適切な看板設置と情報の遵守は、
周辺環境の安全性を担保するだけでなく、法的要件を満たすものとなります。
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