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事業系ゴミや産業廃棄物の法令・条例解説

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建設リサイクル法とは何か?その目的と対象物とは?「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」をわかりやすく解説します

2023/06/23

建設リサイクル法とは

解体工事で出た廃棄物を全て処分してしまうのではなく、再利用できるものは再利用し、ごみを減らすことを目的として「建設リサイクル法」が作られました。今回は、建設リサイクル法についてわかりやすく説明していきます。

建設リサイクル法とは

建設リサイクル法とは

建設リサイクル法とは、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」のことで、2000年5月31日に制定されました。

近年では、大規模再意外や解体工事などで発生する廃棄物の量が増大したことによって、廃棄物の最終処分場がひっ迫し、不法投棄や不適切処理などの問題が生じています。

これらを解決する方法として、解体工事で発生した廃棄物の再資源化を行い、再利用することが提唱され、これを促進することを目的として建設リサイクル法が制定されました。

再資源化の例

コンクリート塊

再生クラッシャーラン(道路の下層路盤)やコンクリートの材料などに再利用されます

建設発生木材(木材の廃棄物)

木材チップやバイオ燃料、建築用ボードなどに再利用されます

廃プラスチック

再生プラスチックなどに再利用されます

金属くず

回収して溶融し、再利用されます

建設リサイクル法の内容:分別解体等や再資源化について

分別解体等や再資源化について

以下の①に該当し、かつ②のいずれかに該当する場合には、解体工事における分別解体や再資源化が義務付けられます。

ただし、建設発生木材に関しては、最寄りの再資源化施設までの距離が50kmを超える場合など、経済性の観点から縮減(焼却)を行ってもよいとされることがあります。

①特定建設資材の使用の有無

 コンクリート、コンクリートと鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートが特定建設資材と呼ばれ、建設リサイクル法の再資源化の対象になります

②工事規模の要件

建設リサイクル法の対象になるのは、以下のいずれかに該当する場合です。

・建物の解体工事の場合 :延べ床面積が80㎡以上

・建物の新築・増築の場合 :延べ床面積が500㎡以上

・建物の修繕・模様替え(リフォーム等) :請負代金が税込1億円以上

・その他の工作物に関する工事(土木工事等) :請負代金が税込500万円以上

都道府県知事への届出

再資源化などが義務付けられる工事に関して、工事開始7日前までに都道府県知事に対して「対象建設工事用の届出書」(様式第一号)や「分別解体等の計画等」(別表)を提出する必要があります。

届出の義務があるのは、工事の依頼者(施主)ですが、場合によっては工事の施工業者が代理で申請することも可能です。

事前調査の実施と工事の依頼者(施主)への説明

都道府県知事に提出する「分別解体等の計画等」を作成するにあたって、施工業者は事前調査を行う必要があります。事前調査では、対象の建築物やその周辺の状況、搬出経路、残存物品、付着物の調査、アスベストの使用有無の調査などを行います。

この調査でアスベストが使用されていることが判明した場合には、相応の対処をしなければならなくなりますのでこの調査は重要です。

事前調査を終え、見積もりなどの必要書類を作成したら、施工業者は解体工事や施主が行う届出に関する内容の説明を書面にて行います。

解体工事等の請負契約の締結の際には、工事費用や再資源化等に要する費用を明記することなども義務付けられてますので、きちんと確認したうえで提示する必要があります。

再資源化完了報告

工事や再資源化等が完了したら、施工業者は工事の依頼者(施主)に対して書面にて完了報告をする必要があります。報告書には、再資源化が完了した日付、再資源化を実施した施設名、発生した費用などが記載されています。

解体事業者の登録制度

解体事業者の登録制度

解体事業者の登録制度とは、建設業許可を保有していない業者でも、一定の条件を満たす解体工事であれば解体事業者の登録を行っていれば、解体工事を行うことができる制度です。

この登録で行うことができる工事は、解体工事費用が税込500万円未満で、登録を行っている都道府県内の工事に限ります。そのため、解体工事を行う都道府県ごとに登録が必要で、有効期限は5年となっています。

申請するためには、①技術管理者を選任していること、②欠格要件に該当しないことの2つを満たしている必要があります。

①技術管理者の選任

技術管理者とは、現場を管理・監督し現場の安全を守る責任者のことで、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。また、都道府県によっては別途講習の受講を義務付けているところもありますので、確認が必要です。

技術管理者になるための要件

・指定の国家資格を有している

以下に示す資格が必要です。

一級建設機械施工 

二級建設機械施工(「第一種」、「第二種」)

一級土木施工管理

二級土木施工管理(「土木」)

一級建築施工管理

二級建築施工管理(「建築」、「駆体」)

一級建築士

二級建築士

一級とび・とび工

二級とび・とび工+解体工事経験1年

解体工事施工技士試験合格者

一定期間以上の実務経験がある

指定の資格を有しているほかに、以下に示すような期間実務経験がある必要があります。

学歴実務経験年数
一定の学科を履修した大学・高専卒業者2年
一定の学科を履修した高校卒業者4年
その他
8年

※一定の学科とは、土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木など)、建築学、都市工学、衛生工学、 交通工学に関する学科のこと

※全国解体工事業団体連合会が実施する解体工事施工技術講習を受講した場合には、実務経験が1年 減算されます

②欠格要件に該当しない

個人の場合は事業主、法人の場合は役員が以下のような欠格要件に該当しないことが求められます。

・解体工事業者の登録を取り消されてから、2年が経過していない者

・業務停止処分を受け、その停止期間が経過していない者

・建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終了してから2年が経過していない者

・暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

・暴力団員がその事業活動を支配する者

おわりに

建設リサイクル法の解体工事

今回は、建設リサイクル法の解体工事に関係してくる部分を中心に説明してきました。複雑でわかりにくいところもありますが、重要な部分ですので、しっかり確認しておきましょう。

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