産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)の処分方法・基礎知識・処分の流れ解説
「特別管理産業廃棄物に該当するものを詳しく知りたい」
「特別管理産業廃棄物の処分ルールにはどんなものがある?」
このように、特別管理産業廃棄物の種類や処分について詳しく知りたいと思っている方は、多いのではないでしょうか。この記事では、特別管理産業廃棄物の基礎知識から種類、処分のルールまで詳しく解説していきます。
特別管理廃棄物は、廃棄物の中でも特に危険とされている廃棄物を意味します。特別管理産業廃棄物の種類を把握し適切に処分しないと、重い罰則や罰金が課されてしまう可能性があります。罰則や罰金を受けないようにするためにも、この記事をチェックして、知識を深めましょう。
特別管理産業廃棄物は、人の健康や生活環境に被害を及ぼす恐れのある廃棄物を指します。主に爆発性や感染性、毒性のあるものを含む廃棄物です。
危険性が極めて高い廃棄物になるため、処分には一般的な廃棄物よりも厳しい規制が設けられています。特別管理産業廃棄物を処分する必要がある企業は、自治体が定めている規定に沿って処分をしなければなりません。
特別管理産業廃棄物に該当する廃棄物は以下の5つです。
①廃油
②廃酸
③廃アルカリ
④感染性産業廃棄物
⑤特定有害産業廃棄物:
詳細は、こちらをご確認ください。
上記に該当する廃棄物を排出する企業は、廃棄物処理法が定める特別管理産業廃棄物管理責任者を設置する必要があります。特別管理産業廃棄物管理責任者が排出状況を把握し、処理計画を立てた上で、委託業者を決めることとなっています。
特別管理産業廃棄物は、廃棄物処理法によって保管と収集運搬、処分、委託に細かくルールが定められています。ルールをよく確認し、適切に対応しましょう。
特別管理産業廃棄物は人や生活環境に被害を及ぼす恐れのある廃棄物のため、廃棄物処理法によって保管ルールが以下の通り設けられています。
・周囲に囲いや掲示板を設ける
・特別管理産業廃棄物が飛散、流出しないように対策する
・害虫やねずみの発生を防ぐ
・仕切りなどを用いて他のごみの混入を防ぐ
・特別管理産業廃棄物の特性に合わせて密閉したり、高温になるのを防ぐ
※詳しくは廃棄物処理法省令第8条の13を参照してください
人や生活環境に害を及ぼさないようにするためにも、保管する段階から細心の注意をはらいましょう。
特別産業廃棄物の収集運搬には以下のルールが設けられています。
※詳しくは廃棄物処理法施行令第6条の5を参照してください
収集運搬時にも外部への飛散や流出を防ぐ対策をする必要があります。排出する事業者も委託する業者がこうした対策をしているかを意識するようにしましょう。
処分やリサイクルをする際にも以下のような厳しいルールが設けられています。
処分と再生のルールは処分の仕方や保管量が中心となっています。
※詳しくは廃棄物処理法施行令第6条の5第1項第2号を参照してください
特別産業廃棄物の収集運搬を委託する際は、排出者は以下のルールを守らなければなりません。
上記の項目に違反してしまうと収集運搬業者だけでなく排出者も罰則や罰金の対象となるので注意が必要です。
特別管理産業廃棄物を多量に排出する事業者は、電子マニフェストの運用が義務付けられています。以下に該当する場合のみ電子マニフェストが必要になり、該当しない場合は紙のマニフェストで問題ありません。
・前年度の特別管理産業廃棄物の発生量が五十トン以上である事業場を設置している事業者(廃棄物処理法施行令第6条の7)
上記に該当する業者を多量排出事業者といいます。多量排出事業者になると電子マニフェストの運用になることを覚えておいてください。
特別管理産業廃棄物の収集運搬や処分の許可を得ているかどうかは、都道府県のホームページや直接管轄の都道府県に問い合わせることで確認できます。また、県をまたいでの収集運搬が行われる場合は、両方の県の許可が必要になるため注意が必要です。
廃棄物処理法第12条の2第8項により、事業活動に伴い特別管理産業廃棄物が発生する事業場を有する企業は、事業場ごとに特別管理産業廃棄物管理責任者を定めなければなりません。
(省令第8条の17第1号参照)
特別管理産業廃棄物管理責任者の役割は、廃棄物処理及び清掃法に基づき、責任者の所在する事業場において特別管理産業廃棄物に関する一般事務を適切に遂行することです。
たとえば、以下のような業務を担当します。
① 特別管理産業廃棄物と産業廃棄物の違いは何ですか?
特別管理産業廃棄物は有害廃棄物や医療廃棄物など爆発性、毒性、感染性を持つ廃棄物を指します。これに対して、産業廃棄物は特別な管理が必要ない一般の工業系廃棄物です。特別管理廃棄物は厳格な規制があり、一般的に専門業者が処理します。
② 特別管理産業廃棄物には具体的にどんなものがある?
特別管理産業廃棄物の具体例には、有害廃棄物(例: 重金属汚染された土壌、廃電池)、医療廃棄物(例:使い終わった注射器、医療器具、薬剤)、産業プラントからの特殊廃棄物(例::産業用溶剤の廃棄物、化学プラントからの特殊な廃液)があります。
特別管理産業廃棄物は、人体や生活環境に被害を及ぼす可能性のある廃棄物です。一般的な事業系ごみより厳しい規制が設けられています。特別管理産業廃棄物の種類を把握し、適切に処分をするようにしましょう。