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産業廃棄物の処分方法

産業廃棄物の処分方法

産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)の処分方法・基礎知識・処分の流れ解説

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産業廃棄物を正しく処理して環境保全に貢献!種類・処理方法・業者選びを解説します

2023/10/11

事業を営んでいれば必ず直面する問題が廃棄物の処理です。

正しく廃棄物を処理しないと法律で罰せられるため、事業者はきちんと廃棄物の処理手順について理解しなければいけません。

そこで今回はそんな廃棄物について詳しく解説します。

一般廃棄物と産業廃棄物の違いや産業廃棄物の種類、産業廃棄物処理業者についても説明します。

 

産業廃棄物の分類

廃棄物は法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)により、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2種類に分かれています。それぞれの定義は法律で決められ、処理手順や処理責任の所在が異なります。以下一般廃棄物と産業廃棄物について詳しく見ていきましょう。

一般廃棄物
一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物のことを指します。

一般廃棄物はさらに細かく「家庭系一般廃棄物」、「事業系一般廃棄物」、「し尿」、「特別管理一般廃棄物」に分類されます。

家庭系一般廃棄物とは家庭から排出される家庭ごみのことです。可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ごみなどを自治体が回収・処理してくれます。
し尿とは人間の大・小便のことです。またこれに附帯するトイレットペーパー類も含みます。
特別管理一般廃棄物は爆発性・毒性・感染性などを持ち、人体や環境に被害が及ぶ可能性がある廃棄物のことです。具体的には、エアコンやテレビに含まれるポリ塩化ビフェニル・廃水銀・ばいじん・感染性一般廃棄物です。こちらはあらかじめ業者に連絡して回収してもらいます。

事業系一般廃棄物は事業者が排出する産業廃棄物以外の廃棄物のことです。

主に事務所から排出される紙くずや、飲食店などの残飯などが該当します。
一般廃棄物の処理責任は自治体にありますが、事業系一般廃棄物は他の一般廃棄物と異なり、処理責任が事業者にあります。したがって事業者自ら廃棄物を自治体が運営する廃棄物処理場に運搬するか、自治体から許可を得た廃棄物処理業者に委託するかを選択し、適切に廃棄物を処理しなければいけません。

 

産業廃棄物
産業廃棄物とは、事業活動に伴って排出される廃棄物の中で、法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)により指定された廃棄物のことです。
ここで言う事業活動とは、営利を目的とする企業の活動のみならず、病院や介護施設などの社会貢献活動も含みます。

さらに爆発性・毒性・感染性などを持つ産業廃棄物を「特別管理産業廃棄物」と呼びます。

また産業廃棄物の処理責任は事業者です。自治体が運営する廃棄物処理施設では、産業廃棄物を処理することはできません。
したがって事業者は産業廃棄物を自ら処理するか、都道府県から許可を得た産業廃棄物処理業者に委託する必要があります。

 

産業廃棄物の種類

廃棄物の処理及び清掃に関する法律を分析すると、産業廃棄物は「あらゆる事業活動に伴うもの」と「排出する業種が限定されるもの」に分類されます。それぞれ詳しくみていきましょう。

まずあらゆる事業活動に伴う産業廃棄物は全部で12種類あります。

石炭がらや灰かすなどの「燃えがら」。
排水処理や生産工程で排出される「汚泥」。
使用済みの鉱物性油や洗浄油などの「廃油」。
使用済みの写真定着液や硫酸などの「廃酸」。
使用済みの写真現像液やか性ソーダ液などの「廃アルカリ」。
使用済みの発泡スチロールやポリ容器、さらに合成ゴムくずなどの「廃プラスチック類」。
切断・裁断で発生した天然ゴムなどの「ゴムくず」。
研磨・切断で発生した非金属のくずや、古鉄やスクラップなどの「金属くず」。
石膏ボードや板ガラス、コンクリート二次製品などの「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」。
不良鉱石や高炉の残渣、鋳物廃砂などの「鉱さい」。
新築・改築・除去工事で発生したコンクリート破片やレンガ破片などの「がれき類」。
ばい煙発生施設や産業廃棄物焼却施設にて発生する不要物などの「ばいじん」。

排出する業種が限定される産業廃棄物は全部で7種類あります。

建設業・パルプ製造業・新聞業・出版業・印刷物加工業・製本業などから発生する「紙くず」。
建築業・木材製造業・パルプ製造業などから発生するおがくずや建設業などの「木くず」。
建設業や衣類などの繊維製品製造業以外の繊維工業から発生する「繊維くず」。
屠畜場での解体や食鳥処理場で処理した「動物系固形不要物」。
醸造かす・発酵かす・魚のあらなどに代表される、食料品製造業・医薬品製造業・香料製造業などが原料として使用した「動植物系残さ」。
畜産農業での牛・馬・羊・鶏などから発生する「動物のふん尿」。
畜産農業での「動物の死体」。

さらに上述した産業廃棄物を処分するために処理したもので、「上述した産業廃棄物に該当しないもの」を加えた合計20種類が産業廃棄物となります。

 

産業廃棄物に関わる処理業者

上述したように産業廃棄物は自社で処理するか、産業廃棄物処理業者に委託するかの2択です。

自前で処理施設を建造するのは困難なため、ほとんどの事業者が産業廃棄物処理業者に委託しています。
産業廃棄物処理業者の業務内容は、産業廃棄物の収集・運搬と処分の2つに分かれ、それぞれで都道府県の許可が必要です。

許可を取得するためには厳しい基準を満たさなければいけません。
回収・運搬の許可基準としては、産業廃棄物の飛び散り防止や悪臭や騒音の防止が盛り込まれています。
また処分の許可基準も、例えば焼却処理の場合、燃焼室のガス温度を800度以上に保つことや、通風設備の用意、焼却物の飛び散り防止などが盛り込まれています。

また厳しく基準が定められているのは排出する事業者側も同様です。
法律は排出事業者に産業廃棄物処理業者との契約書の保管と、マニフェスト(産業廃棄物管理票)作成義務を課しています。

 

適切な廃棄物処理を心がけましょう

産業廃棄物の処理責任は事業者にあります。
都道府県の許可を得ていない産業廃棄物処理業者に委託したり、不法投棄など不適切な産業廃棄物処理をしたりした場合には法律で罰せられます。最大5年以下の懲役、あるいは1,000万円以下の罰金です。事業者の社会的信用が低下します。
したがって産業廃棄物処理を委託する場合には、必ず信用できる業者か確認しましょう。

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