事業系ゴミ・産業廃棄物に関する品目・用語・覚えておくべきキーワード集
災害発生時に大量発生する災害廃棄物には、適切な処理が求められます。
処理が遅れたり、不適切な処理が行われたりすると、二次災害や環境汚染を引き起こす可能性があります。
この記事では、災害廃棄物の種類や処理方法、処理にかかる時間や費用、処理に関する課題などについて詳しく解説します。
災害発生時に役立つ情報も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
災害廃棄物とは、地震、台風、洪水などの災害によって生じた廃棄物のことを指します。
災害廃棄物は、通常の生活ごみとは処理方法が異なるため、適切に処理することが重要です。
災害廃棄物は、自然災害によって発生する廃棄物を指します。そして災害によって様々な種類の災害廃棄物が混ざったものを「混合物」と言います。以下に、災害廃棄物の主な種類を示します 。
可燃物が多く含まれるもので、紙、繊維、木質廃材、廃プラスチックなどが該当します。
腐敗や発酵が進むと内部の温度が上昇し、火災の恐れがあるため、迅速な選別や処理が必要です。
瓦、煉瓦、ガラス、陶磁器などの不燃物が多く含まれるものです。
木造建物の解体時に発生した木質廃材、津波による破損した柱や梁材、内装建材、不用家具などが含まれます。
コンクリート破片やコンクリート塊を主体とするもので、鉄筋コンクリート構造の建物や基礎の撤去時に発生します。
鉄骨構造の建物や構造物の解体時に発生するものです。鋼材が主体のものを指します。
土砂崩れの土砂、津波や洪水により堆積した土砂や砂泥を主体とするものです。
これらの災害廃棄物は、一般廃棄物に区分され、処理責任は市町村にあります。
災害発生時には、安全・スピード・費用を考慮して適切に処理する必要があります。
災害発生後、大量に発生する災害廃棄物を迅速かつ適切に処理することは、被災地の復旧と住民の生活再建にとって重要な役割を果たします。
ここでは、災害廃棄物を処理する4つのステップについて詳しく解説します。
災害発生直後は、被災者やボランティアによって、家屋や家具などの破損物、流木、浸水被害を受けた家財道具などが排出されます。
この時にできる限りの分別を行う必要があります。
排出された災害廃棄物は、まず自治体によって指定された一次仮置き場へ運搬されます。
一次仮置き場は、災害廃棄物を一時的に保管するための場所です。
一次仮置き場へ集められた災害廃棄物は、種類や処理方法ごとに分別され、二次仮置き場へ運搬されます。
二次仮置き場は、中間処理を行うための場所です。
二次仮置き場から、処理施設へ災害廃棄物が運搬されます。処理施設では、再資源化して新たな製品の原料として利用できる形で処理を行います。
処理方法は、災害廃棄物の種類や処理能力、環境への影響などを考慮して選定されます。
災害廃棄物の処理にかかる時間は、災害の規模や被害状況、処理能力などによって異なりますが、一般的には、数ヶ月から数年程度かかるとされています。
災害廃棄物の処理費用は、原則として公費で負担されます。
ただし、一部自己負担となる場合がありますので、詳細は各自治体にご確認ください。
災害廃棄物問題には、以下のような課題が存在します。
災害発生直後は、大量の災害廃棄物が短期間で発生するため、処理体制が不足することが課題です。
処理体制が不足すると、災害廃棄物が放置されたり、不適切な処理が行われたりする可能性があります。
災害廃棄物の処理費用は、原則として公費で負担されます。しかし、処理費用が膨大になるため、財政負担が問題となっています。
適切に処理されていない災害廃棄物は、二次災害を引き起こす可能性があります。例えば、倒木や流木が河川を塞ぎ、洪水を引き起こす可能性があります。
災害廃棄物は、ダイオキシンなどの有害物質を含んでいる場合があり、環境汚染を引き起こす可能性があります。
災害廃棄物の処理に関する情報は、被災者や関係者に行き渡っていない場合があります。
災害廃棄物を処理できる業者が不足しているため、処理に時間がかかったり、不適切な処理が行われたりする可能性があります。
処理費用を節約するために、不法投棄を行う業者が存在します。
Q. 災害廃棄物の処理責任は誰にあるのでしょうか?
国や都道府県が処理責任を負う場合があります。
処理費用は、原則として市町村が負担しますが、事業者や国・都道府県が負担する場合もあります。
Q. 災害廃棄物の二次処理とは?
災害廃棄物の二次処理は、一次仮置場で行えなかった細かい分別や仮設処理設備による中間処理を指します。
この段階で減容や種類ごとの分別が行われ、その後の処理施設で最終処分または再資源化が行われます。
以上のように、災害廃棄物は災害によって生じるさまざまな物質の集積物であり、処理が適切に行われない場合、二次災害や環境問題を引き起こす可能性があります。
そのため、速やかな収集・分別・処理が求められます。市町村や関係機関と協力して、災害廃棄物処理に関する情報を周知し、十分な体制を整えることが重要です。
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