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PCB廃棄物とは?種類と取り扱いについて解説!危険性と処分方法、処分にかかる費用や手続きについて知っておこう

2023/06/23

PCB廃棄物とは

「産業廃棄物を調べていると出てくるPCBってなんだろう?」

「PCBの処分方法を詳しく知りたい」

このように、産業廃棄物の一種であるPCBについて詳しく知りたいと思っている方は多いのではないでしょうか。この記事では、PCBの種類や処理方法、処理費用について詳しく解説していきます。

PCBは人や環境に危害を及ぼす可能性のある物質の一つです。環境省によって処理には厳しい基準が設けられています。ルールを守り適切に処理をするためにも、この記事を参考にしてみてください。

PCBとは

PCBとは

PCBはポリ塩化ビフェニルのことで人工的に作られた油状の化学物質です。1973年までは様々なモノに使用されていましたが、現在は製造と輸入ともに禁止されています。

PCBの特徴

PCBは化学的にも安定な性質を持つことから電気機器や絶縁油、熱交換器、ノンカーボン紙などに使用されていました。PCBの主な特徴は以下です。

・水に溶けにくい

・沸点が高い

・熱で分解しにくい

・不燃性

・電気絶縁性が高い

上記の特徴を持つことから、処理に関して他の産業廃棄物に比べて手間がかかります。

PCBが使用されている機器

ポリ塩化ビフェニル

現在PCBは製造と輸入が禁止されていますが、1973年までに製造された機器に含まれている可能性があります。PCBが使用されている可能性がある機器は以下です。

・高圧トランス

・高圧コンデンサ

・業務用照明器具

・家庭用電気製品(電子レンジやクーラー、テレビなど)

・電気機器(柱上トランスやOFケーブルなど)

・橋梁などの塗膜

・感圧複写紙

※家庭用家電製品は1974年までに製造されたモノが該当します。

PCBの種類

 高濃度PCB廃棄物

PCBを含む製品の廃棄物は大量に使用したことによる「高濃度PCB廃棄物」と意図せず汚染された「低濃度PCB廃棄物」に分かれます。

高濃度PCB廃棄物

業務用照明器具や高圧トランス、高圧コンデンサなどが高濃度PCBに該当します。高濃度PCBは廃棄物に含まれる濃度は、5,000m/kgを超えるためとても危険です。処理する際は人や生活環境に悪影響を及ぼさないように厳重に注意を払う必要があります。

低濃度PCB廃棄物

意図的にPCBを使用していない機器でもPCBが含まれてしまった機器が低濃度PCB廃棄物に該当します。主にトランスやコンデンサ、OFケーブルなどです。低濃度PCB廃棄物の濃度は0.5〜5,000mg/kgと非常に低く、微量PCB廃棄物になると数10mg/kgほどになります。

PCBの危険性

PCBは脂肪に溶けやすい性質を持っているため、体内に取り込んでしまうと蓄積して全身の倦怠感やしびれ、食欲不振、色素沈着や吹き出物、目やになどの皮膚異常などを引き起こします。PCBが食用油に混入して多くの健康被害を出したカネミ油症事件が1968年に起きました。

PCBの処理方法

PCBの処理方法は主に10種類あります。PCB廃棄物の特性に応じて適切な処理方法を選ぶ必要があります。

脱塩素化分解

薬剤を用いて脱塩素化反応を引き起こし、PCB以外の物質に分解する方法です。

水熱酸化分解

高温高圧の水中でPCBを完全に分解する方法が水熱酸化分解です。幅広いPCB廃棄物やPCB汚染物に対応できます。

還元熱化学分解

還元熱化学分解は高温の酸素のない状態でPCBを脱塩素化して分解します。水熱酸化分解と同様に幅広いPCB廃棄物やPCB汚染物に対応できます。

光分解

紫外線の照射で光化学反応を起こしPCBを分解する方法です。

プラズマ分解

プラズマを用いて高温化で分解する方法です。

機械化学分解

機械的エネルギーを付与して粉砕操作をするメカノケミカル反応を利用してPCBを分解する方法です。

高温焼却

1,100℃以上の高温で廃棄物を焼却しダイオキシン類の生成を防ぎ分解する方法です。水熱酸化分解や還元熱化学分解などと同じく幅広いPCB廃棄物やPCB汚染物に対応できます。

溶融分解

1,000℃以上の高温で溶解分解してPCBを処理する方法です。

洗浄

低濃度PCBの機器を解体して専用の溶剤で洗浄する方法です。

分離

真空に近い空間で物質を加熱してPCBを蒸発させる方法です。内部構造が複雑な電気機器でも対応できる数少ない方法になります。

高濃度PCB廃棄物の処分手順と費用

高濃度PCBは環境安全事業株式会社(JESCO)が処分をしています。高濃度PCBを処分する際は以下の手順を踏みます。

①県または政令市に廃棄物の保管届けを提出

②JESCOへ登録

③JESCOが開催している処理に関する説明会へ参加

④処分委託契約を結ぶ

また、高濃度PCBの処理費用はトランスとコンデンサで異なります。高圧・低圧トランスの費用は、3kg以上〜10kg未満で「処理料金=30,800(円/kg)×1台当たりの総重量(kg)です。コンデンサ類の費用は10kg未満まではトランス類と変わりません。10kg以上になるとトランス類より処分費用が高くなります。

参照:JESCO(https://www.jesconet.co.jp/content/000000609.pdf

低濃度PCB廃棄物の処分手順と費用

低濃度PCBは環境大臣が認定している無害化処理認定施設または都道府県知事が許可している施設で処分する必要があります。県または政令市に保管届けを出して処分業者に依頼する流れです。費用は処分の委託業者や廃棄物の種類によって変わるため、処分業者に確認する必要があります。

まとめ

PCBは危険な廃棄物

 PCBは危険な廃棄物であるため、慎重かつ適切なルールに従って処理しなければなりません。適切に処理をおこない、人の健康や生活環境に悪影響をもたらさないようにしましょう。

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