事業系ゴミ・産業廃棄物に関する品目・用語・覚えておくべきキーワード集
「産業廃棄物のばいじんってどんな廃棄物を指すんだろう?」
「ばいじんの処理方法やリサイクル方法を詳しく知りたい」
このように、産業廃棄物のばいじんの処理方法やリサイクル方法について詳しく知りたいと思っている方は、多いのではないでしょうか。この記事では、ばいじんの特徴や種類、処理方法、リサイクル方法、処理費用について詳しく解説していきます。
ばいじんは工場などで出る可能性が高い産業廃棄物のひとつです。燃え殻やふんじんなどと間違われることも多く、適切に分別されていないこともあります。しかし、ばいじんを適切に処理することでリサイクルできる可能性が。ばいじんを適切に処理するためにも、この記事をチェックしてみてください。
ばいじんはモノを燃やした後に出るススなどの飛散物を指します。集塵機などで集められた微粒子と思っておくと覚えやすいでしょう。ばいじんは基本的に普通の産業廃棄物扱いで排出できますが、重金属やダイオキシンなどを含んでいる場合は特定有害産業廃棄物として排出しなければなりません。収集運搬と処分を委託する場合は、特定有害産業廃棄物の許可を得ている業者を選ぶ必要があります。
ふんじんもばいじん(粉塵)と同じく空中に飛散した微粒子を指します。チリやホコリが代表的なものです。しかし、ふんじんとばいじんは発生元が異なります。ばいじんはモノを燃やした際に発生した微粒子を指すのに対し、ふんじんはモノを粉砕した際に発生した微粒子を指します。ふんじんも産業廃棄物になるため、適切に分別しなければなりません。
ばいじんに該当するススやチリは以下のようなものが挙げられます。
・鉄鋼ダスト
・石炭灰
・転炉ダスト
・廃砂ダスト
・製紙スラッジ焼却ダスト
・サイクロン捕集ダスト
・コークス灰
・バグフィルター捕集ダスト
・集じん器捕集ダスト
・煙道・煙突に付着堆積したスス
・SUSダスト
・EP灰
・キュポラダスト
・電気集じん機捕集ダスト
・バグフィルター捕集ダスト
・サイクロン捕集ダスト
・各種重金属含有ダスト
排出するススやチリがばいじんになるのかどうか分からない場合は、管轄の自治体に確認してください。
ばいじんの処理方法は一般的に「埋め立て」もしくは「安定化」の2種類です。それぞれどのように処理していくのかをみていきましょう。
ばいじんはフレキシブルコンテナなどの容器に入れて、管理型最終処分場で埋め立て処理されることが多いです。しかし、ばいじんに重金属が混ざっている場合は、管理型最終処分場に埋め立てることはできません。遮断型最終処分場で処理する必要があります。
安定化方法でのばいじんの処理は以下3つの方法いずれかで行われます。
①コンクリート固化
②キレート剤での固化
③溶融
それぞれどのような方法なのかを解説していきます。
コンクリートで固める方法がコンクリート固化です。有害物質をコンクリートで固めて内部に封じ込めます。コンクリートで固められるため、ばいじんの飛散を防ぐことが可能です。しかし、コンクリートで固めるため廃棄物自体の容量が大きくなってしまいます。処分場を圧迫する可能性があるのが難点です。
有害物質をキレート剤で固めて内部に閉じ込めるのがキレート剤での固化です。コンクリート固化と同じく、ばいじんの飛散を防止することができます。しかし、キレート剤での固化の場合は有害物質の溶出試験をして合格しなければなりません。合格の場合は管理型最終処分場に埋め立てられますが、試験が不合格の場合は管理型最終処分場に埋め立てることができないため、注意が必要です。
※キレート剤とは特定の金属に結びつく薬剤で金属を不活性化させます
ばいじんに熱を加えて液体状にするのが溶融です。溶融の場合は液体状になるため廃棄物の容量を減らすことができます。また、溶融をおこなうとスラグと呼ばれるガラス状の物質が発生するのが特徴です。スラグは一定の基準を満たすことで土木資材や建設資材へのリサイクルができるため、環境的にもやさしい安定化方法になります。
ばいじんは「建設資材」や「リサイクル改良土」としてリサイクルされることが多いです。中間処理でリサイクル改良土にする場合は、ばいじんを専用のサイロに投入し特殊固化剤や水などを用いて造粒固化処理をします。後に、盛土材や埋め戻し材などに生まれ変わります。
ばいじんの最終処分は1kgあたり60円〜100円の処分費用が相場です。中間処分費用は最終処分の半分程度が目安になります。ばいじんの費用は自治体や業者によって幅があるため、処理を委託する場合は相場を目安として確認してみてください。
ばいじんはリサイクル方法が限られており少ない産業廃棄物です。また、飛散する可能性があるため適切な処理が求められます。排出する微粒子がばいじんに該当するか悩む場合は、自治体に確認して適切に処理するようにしましょう。