事業系ゴミ・産業廃棄物に関する品目・用語・覚えておくべきキーワード集
動物の死体はいろんな場面で発生するものです。その場面によって産業廃棄物、一般廃棄物として違う方法で処理されることになります。
今回は産業廃棄物となる動物の死体の正しい処理方法についてと、廃棄物の適切な処理が目的の廃棄物処理法について詳しく解説していきます。
20種類の産業廃棄物のうちのひとつに動物の死体があります。具体的には、畜産農業から発生する牛、馬、豚、めん羊、にわとりなどの死体のことです。
産業廃棄物は事業活動に伴って生じた廃棄物のことですが、20種類ある産業廃棄物のうちの7種類は特定の業種から発生した廃棄物に限られています。
動物の死体については、特定の業種として畜産農業から発生した廃棄物に限られます。
特定業種でる畜産農業以外の業種で発生した動物の死体については、一般廃棄物として処理する必要があります。
具体例としまして、犬や猫などの家庭で飼育されていたペットなどの死体については環境事業所や民間業者のペット火葬などによって対応を依頼することになります。このように同じ動物の死体でも、廃棄物としての扱いには違いがあります。
その他にも産業廃棄物か、一般廃棄物か判別がつきにくいケースを紹介します。
・研究施設などで動物実験により発生したマウスやモルモット等の死体については、畜産農業以外の事業活動から発生しているため、一般廃棄物として処理します。
・ 牧場で急死した牛、豚の死体については、畜産農業の事業に伴って発生しているため、産業廃棄物として処理します。
動物の死体の処分方法は、通常は焼却処理を行い焼却後に最終処分場へ埋め立てられます。リサイクル方法は、焼却灰をセメント原料や路盤材などへリサイクルする方法があります。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」のことを産業廃棄物処理法といいます。
産業廃棄物の排出を抑えつつ、発生した産業廃棄物を適切に処理することと、人々の生活環境を守ることを目的として作られています。
廃棄物処理法では、廃棄物の定義や処理や保管方法、さらに責任の所在や罰則などについて定められています。
産業廃棄物処理法の概要についてですが、廃棄物処理法は、廃棄物の排出抑制と処理の適正化による生活環境保全を目的として制定されました。
産業廃棄物の排出事業者や処理事業者は、基本的にはこの法律に沿って事業を進めていかなければなりません。
産業廃棄物は処理の方法によって有害なものを発生する原因になったりするため、法令で厳しく定められています。
この廃棄物処理法の対象者となる事業者は「産業廃棄物を排出する排出事業者」と「産業廃棄物を運搬・処理する処理事業者」に分けられます。
それぞれ対象となる事業者は廃棄物の処理において、廃棄物処理法を守り、遵守する責任があります。
廃棄物処理法において、産業廃棄物の排出事業者は、事業活動に伴って生じた廃棄物を、自身の責任で処理しなければなりません。自身で処理が行えない場合には、他の業者に業務委託することが可能です。
業務委託を行う際には定められた「委託基準」に沿った産廃委託契約を書面で交わさなければなりません。委託した産業廃棄物の処理状況については、マニフェストを利用して管理する必要があります。
マニフェストの利用状況については、年に1度、都道府県知事等へ報告することが義務付けられています。
産業廃棄物の運搬や処理を行う処理事業者は、処理を行おうとする場所等の都道府県知事等から産業廃棄物処理業の許可をとる必要があります。
処理についても、処理基準に沿って処理しなければなりません。マニフェストを交付された場合には、排出事業者へと返送しつつ、処理実績を正しく把握するための帳簿の作成等が義務付けられています。
今回は、産業廃棄物となる動物の死体の処理について、廃棄物処理法について詳しく解説していきました。産業廃棄物は適切な処理を行わなければいけないものです。
間違った処理方法では、生活環境の悪化につながります。産業廃棄物の種類を正しく把握し、廃棄物処理法に沿った適切な廃棄物処理を行うようにしましょう。