事業系ゴミ・産業廃棄物に関する品目・用語・覚えておくべきキーワード集
廃棄物は大きく分けて産業廃棄物と一般廃棄物がありますが、見分けが難しく種類によって処理方法も異なる上、間違った方法で処理してしまうと違法行為に該当する可能性もあります。
そこでこちらでは、事業ごみの見分け方や廃棄物の種類、事業ごみの定義など、ごみの分別や処理をする際に知っておいた方が良い基礎知識について見ていきます。
(参照:https://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/gomi/jigyoukeikaraderugomi/jigyoukeihaikibutu.html)
産業廃棄物とは、事業活動に伴って発生した廃棄物の内、法令で定められたものを指します。つまり、事業活動を伴わないもの、法令で定められた20種類以外の事業ごみはいずれも産業廃棄物ではありません。
事業活動は自治体や学校、NPO、地域団体などの企業以外の活動も含まれますし、量の定めもないので、家庭で排出する量とほぼ変わらない程度の、小規模の個人事業者から発生したごみも該当します。
ただし、紙くずや木くずなどは特定の業種に限定しているため、その業種以外の事業活動で排出されたものは産業廃棄物に該当しません。一方、汚泥や廃油、金属やガラスのくずなどは業種に関係なく産業廃棄物扱いです。
一般廃棄物は、廃棄物処理法(第2条)によると基本的に廃棄物の中で産業廃棄物に該当するもの以外全てと規定されています。
つまり、家庭から出たごみは種類を問わず一般廃棄物ですし、事業活動から発生したものでも産業廃棄物に指定された品目以外であればやはり一般廃棄物扱いです。ただ、事業活動で発生したものは事業系一般廃棄物、家庭で発生したものは家庭系一般廃棄物と分類されています。
先ほど紹介した排出する業種が限定されているものに該当する7品目のうち、指定された業種以外の廃棄物が一般廃棄物になります。なお、毒性や爆発性、感染性のあるものに関しては特別管理産業廃棄物や特別管理一般廃棄物に該当し、特殊な処理が必要なため、処理基準や処理業の許可も別扱いです。
紙くずや木くず、繊維くずなどの可燃ごみ、食器やガラス、鍋などの不燃ごみ、大型家電や家具類、自転車等の粗大ごみ、洗濯機やエアコンなどの家電リサイクル法に従った廃棄を義務付けられている家電4品目、乾電池や蛍光灯などの有害ごみが家庭系一般廃棄物です。
なお、ペットボトルなどのプラスチック製品や新聞、段ボールなどの古紙、空き缶などは資源ごみとして別に回収している自治体も多いです。
事業系一般廃棄物は産業廃棄物以外の紙くずや木くず、生ごみ等の可燃ごみ、木製の家具などの粗大ごみの割合が高くなっています。これらとは別に、し尿や浄化槽に係る汚泥なども一般廃棄物になります。
一方、特別管理一般廃棄物は一般廃棄でも危険性が高いため、慎重な対応が必要です。エアコンやテレビなどの部品の内PCBが含まれるもの、ばいじんやばいじん処理物、汚泥及び汚泥処理物、医療機関や研究所で手術に伴って発生する病理廃棄物等で産業廃棄物以外の感染性一般廃棄物などが具体的な品目です。これらは特殊な処理を必要とするため、通常の廃棄物よりも厳しい規制になっています。
なお、一般廃棄物は市町村が処理責任になりますので、処分方法について不明な点があるときには問い合わせた方が安心です。
(参照:https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/gomi/dashikata/jigyousyogomi_syori.html)
産業廃棄物は、業種を指定している品目としていない品目に分かれます。比較的処理がしやすく、専門業者でなければ大量に出る可能性がほとんどない品目が該当していることが多いです。
具体的には、印刷くずや裁断くずなど建設業及び出版業、製紙業などを指定した「紙くず」や、木材やおがくずなど建設業、木製品製造業者、外材輸入業者などを指定した「木くず」、建設業や繊維業から排出される「繊維くず」、肉及び魚の骨や内臓、野菜や果物及び調味料のかすなどの食品製造業、医薬品製造業を指定した「動植物性残さ」などが代表的なものです。動物の糞尿や死体なども業種を指定する品目です。
一方、業種を指定しない品目もたくさんあります。コークス灰や石炭がら、焼却灰などの燃えがら、工場排水の処理後で発生した汚泥や各種廃油や廃酸。他には、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくずが挙げられます。さらに、陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじんなどがあり、これらが事業所から排出されたときに全て産業廃棄物扱いです。
また、濃度の高い廃油や廃酸、PCBや廃PCBを含む汚染物や処理物なども特別管理産業廃棄物に含まれます。これらの品目を処理するには、特別管理産業廃棄物管理責任者を事業所ごとにつけなければなりません。さらに、運搬や処理について帳簿を作成し、保存しておく義務が生じます。
事業ごみとは、規模や業種に関係なく、事業活動によって排出されるごみを指します。危険性や業種の指定などによって分別し、一部は一般廃棄物として処分することが可能ですが、逆に処理場への持ち込みやごみステーションに出せないものもありますので、その場合は産業廃棄物の処理業者を探さなければなりません。
なお、事業系一般廃棄物は一般廃棄物収集運搬、産業廃棄物は産業廃棄物収集運搬の許可を受けた業者に委託しなければ違法となることがあるため注意が必要です。中には契約して代金を受け取り、人目につかないところに不法投棄する業者もいますので、大量の事業ごみを処理するときには特に慎重に探しましょう。
事業ごみは大きく分けて産業廃棄物、一般廃棄物、特別管理産業廃棄物の3種類に該当しますが、さらに品目ごとの分別を求められることもあるため、自治体が定義している分別方法や処理方法をしっかり確認しておかなければなりません。特に、品目によっては条件次第で産業廃棄物や一般廃棄物、特別管理産業廃棄物のいずれかに分別しなければならないものもあります。
また、量が多い場合には産業廃棄物処理業者などに依頼すると、分別や処理場への持ち込みまで任せられるので便利です。その場合は資源回収などの多種類の許可を得ている業者、実績があって長期的に営業している業者などを選ぶと失敗することはほとんどありません。
引っ越しや棚卸などで大量の廃棄物が出た場合には、自治体によって処理方法が変わることもある事業ごみを適切に処理できるところに委託しましょう。