病院・薬局・クリニック・老人ホーム・福祉施設などの事業系ゴミ(産業廃棄物)の捨て方を解説します
「老人ホームから出るゴミは家庭ゴミで捨ててもいいの?」
「福祉施設から出るゴミの処分方法を知りたい」
このように、老人ホームや福祉施設から出るゴミの処分方法について、悩まれている方は多いのではないでしょうか。この記事では、老人ホームや福祉施設から出るゴミの処分方法と処分業者の選び方を詳しく解説していきます。老人ホームや福祉施設は、紙おむつなど会社や工場などとは違うゴミが発生します。
人が入居する場所だからといって、家庭ゴミで出してしまうと罰則や罰金の対象となる可能性が。老人ホームや福祉施設から出るゴミの処分で罰則を受けないためにも、この記事をチェックしてみてください。
老人ホームや福祉施設から出たゴミは、基本的に事業系廃棄物として処分する必要があります。老人ホームや福祉施設は、事業者扱いになるためです。
排出事業者自らが処分をするか、事業系ゴミを収集運搬し処分してくれる専門の業者に委託しなければなりません。家庭ゴミと一緒に出してしまうと、不法投棄などの罰則や罰金の対象となるため、注意が必要です。
老人ホームや福祉施設のゴミ処理で注意しなければならないのが、紙おむつです。自治体によっては、紙おむつを産業廃棄物としているところもあります。紙おむつを産業廃棄物として指定している自治体の場合は、産業廃棄物の収集運搬と処理ができる専門の業者に処分を委託しなければなりません。
事業系一般廃棄物しか収集運搬と処理できない業者に処分を委託してしまうと、罰則や罰金の対象となるため、注意が必要です。また、場合によっては感染性一般廃棄となることもあります。その場合、特別一般管理廃棄物に該当するため、廃棄物処理法施行令第4条の2に沿って処分しなければなりません。
・特別管理一般廃棄物の種類や数量、性質、状態、取り扱い注意事項を事前に処分業者に文書で通知する
・特別管理産業廃棄物処理業者の許可を得ている業者に収集運搬と処分を委託しなければならない
適切な処分業者を選ばないと排出業者が罰せられてしまいます。処罰を受けないようにするために、業者の選び方をみていきましょう。
老人ホームや福祉施設のゴミの処分業者を選ぶ際、まず確認しなければならないのが一般事業系廃棄物収集運搬許可・産業廃棄物収集運搬の許可を受けているかです。一般事業系廃棄物収集運搬の許可は、各自治体が許可を出しています。
一方、産業廃棄物収集運搬の許可は、各都道府県が許可を出しています。許可を得ていない業者に事業系廃棄物や産業廃棄物の収集運搬と処分を委託してしまうと、依頼主も罰則や罰金を課されてしまうので注意が必要です。一般事業系廃棄物収集運搬の許可を得ているかは、各自治体のホームページで確認できます。
また、産業廃棄物収集運搬の許可を得ているかは各都道府県のホームページで確認が可能です。
収集運搬と処分を委託する業者がどのような手順で処分までおこなっているかを確認しましょう。収集運搬から処分までの手順を公開していない業者は、不法投棄や不適切な処分をする可能性があるため、信頼性にかけます。
また、事業系廃棄物や産業廃棄物の収集運搬と処分の委託には、契約書とマニフェストの発行が必要です。マニフェストは廃棄物の収集運搬から処分までを適切な手順でおこなっているかを管理する書類になります。
事業系廃棄物と産業廃棄物の収集運搬と処分の委託をする際は、マニフェストの発行と発行から5年間の保管が義務付けられています
排出するゴミが紙おむつ産業廃棄物に該当する場合、産業廃棄物の収集運搬・処分ができる業者に依頼しなければなりません。一般事業系廃棄物しか収集運搬・処分できない業者に依頼してしまうと、引き取ってもらえなくなります。
依頼する廃棄物の収集運搬・処分の過去の実績があるかを必ずチェックしましょう。不法投棄をしたりマニフェストに偽記載をするなど、ルールを破るゴミの収集運搬・処分の業者が存在します。
ルールを破られると、法律違反となり、排出者が罰則や罰金を受けることになってしまいます。排出者が罰則や罰金を負わないようにするためには、過去の実績がしっかりとある、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
業者自体のホームページの確認や都道府県や市町村役場のホームページに掲載されている業者に依頼するといいでしょう。
老人ホームや福祉施設から出るゴミは、全てが一般事業系廃棄物となるわけではありません。自治体によっては、紙おむつなどが産業廃棄物扱いになる可能性があります。自治体に確認をとり、適切な処分ができるようにしましょう。