東京都江戸川区の事業系ゴミ(産業廃棄物)の捨て方・条例・ルール・罰則を解説します
江戸川区の事業所数は全体的に減少傾向にありますが、飲食業や小売業を除くと製造業や運輸業、建設業が多いのが特徴です。
2014年の江戸川区の卸売業と小売業の事業所の総数は3,634店、年間販売額は約9,241億円ですが、23年前である1991年の総数は6,977店、年間販売額は約1兆3,509億円でした。
23年間で事業所の総数は約48%、年間販売額は約32%減少しています。製造業の内訳は事業所数の多い順に金属製品、一般機械器具、衣服とその他の縫製製品などとなっています。
江戸川区では農業が盛んで、令和元年の農業産出額は約14億円と東京23区内で第1位でした。特に小松菜が多く生産されていて、令和元年の収穫量は2819トンと東京都全体の約40%を占めています。作付面積も約151ヘクタールと、江戸川区内で2番目に作付面積が広い枝豆の約4ヘクタールに圧倒的な差をつけています。
また、江戸川区では朝顔やポインセチアなどの花壇用の苗を中心とした花き栽培も有名です。江戸川区には農産物の直売所が多く、区の公式の農産物直売マップに掲載されているものは34か所あります。全体的に小松菜や枝豆、キュウリやトマトなどの野菜が多く販売されていますが、区内の北東部にある鹿骨地区には朝顔やポインセチアなどの花を販売している直売所も多くあります。
このことから、江戸川区では全体的に小松菜の生産が盛んで、鹿骨地区では朝顔などの花き栽培も盛んであるということが分かります。
江戸川区は第1種住居地域の占める割合の高いエリアです。第1種住居地域は、良好な居住環境に特化したエリアのことを指し示す言葉です。店舗やオフィス、ホテルなどの建設物もありますが、3000平方メートルという規制が設けられています。
2016年の江戸川区の第1種住居地域の面積は約1,543ヘクタールと、全体の約31%を占めています。区の主要な駅である小岩駅や平井駅、葛西駅の周辺は商業系地域に指定されており、約440ヘクタールと区の全体の約9%を占めています。
区の代表的な商業施設として、葛西メトログルメ・ショッピングセンターやArio葛西、パトリア葛西やトニ・ワンショッピングセンターなどが挙げられます。商業施設が多いことから、段ボールや発泡スチロールのごみの排出量が多いことが考えられます。
また、区の臨海部や旧江戸川沿岸、中央地区には工業系地域が約800ヘクタールあり、全体の約16%を占めています。工場からは金属のくずなどのごみが多く排出されていると思われます。
一之上駅の西部地区には、土地区画整理事業によって整備された約4,000平方メートルの広さを誇る「一之上ひだまり公園」があります。地域の住民と区の職員とが共同で設計し、地域本来の小川が流れる田園風景を芝生広場や水辺空間によって再現されています。
江戸川区では、ごみは燃やすごみ、燃やさないごみ、粗大ごみと資源の4つに分けられています。燃やすごみには生ごみや紙くず、衣類などが、燃やさないごみにはビニール傘や30センチ未満の小型家電、ガラスなどが含まれています。
家庭で出た燃やすごみや燃やさないごみを出す際は、それぞれ透明の容器や袋にまとめて入れて出します。生ごみは水気をきり、新聞紙などで包んでから袋に入れてください。また、ガラスなどの鋭利なものには、新聞紙で包んで「危険」と表示するようにしましょう。
粗大ごみに含まれるのは、家庭ごみの中で一辺が30センチを超えているものです。収集を利用する場合と直接持ち込む場合のどちらも事前に粗大ごみ受付センターに申し込む必要があります。資源にはペットボトルやビン、缶や古紙が含まれます。ペットボトルはキャップとラベルを外して軽く洗い、つぶしてから集積所にある専用の緑のネット袋に入れます。ビンや缶は軽く洗ってからそれぞれコンテナに入れて出しましょう。
また、古紙は雑誌や段ボールなどの種類に分け、ひもで縛ってから出してください。事業ごみは、家庭から発生するごみ以外の全てのごみを含みます。事業ごみの収集は全て有料なので、出す場合は必ず「事業系有料ごみ処理券」を貼る必要があります。ごみ処理券は、「江戸川区有料ごみ処理券取扱所」であるスーパーやコンビニで購入することが出来ます。また、江戸川区では事業活動によって出された粗大ごみの回収は受け付けられていません。
マニフェスト(manifesto)は、個人や団体が方針や意図を公に発信するための文書や演説のことを言い、産業廃棄物のマニフェストは、排出事業者が産業廃棄物の処理を産廃業者に委託するにあたり、委託契約内容に基づき適正に処理されていることを確認するために必要な事項を記載し交付される伝票のことを指しています。
排出事業者とはごみを出す法人のことを言い、東京23区については日量100キログラム以上排出する事業者もしくは臨時で排出する事業者は事業系一般廃棄物についてもマニフェストの作成が義務付けられています。
江戸川区で産業廃棄物の処理を業者に委託する場合の料金は、
ごみ.Tokyo | 燃えるごみ1キロあたり34.2円 |
A社 | 燃えるごみ1キロあたり71.5円(+運送料・作業料) |
B社 | 燃えるごみ1キロあたり2.75円(+回収費) |
C社 | 燃えるごみ1キロあたり30円 |
D社 | 燃えるごみ1キロあたり19.9円 |
E社 | 燃えるごみ1キロあたり38.4円 |
などがあります。料金とは別に運送料や作業料などを請求される場合もあるので、事前の確認が必要です。料金の相場として1キロあたり40円からを目安に考えてください。
江戸川区では、SDGsの目標の1つとして掲げられている食品ロスの削減のため、「えどがわ食べきり運動」を行なっています。活動内容として食べ残しの削減に取り組む飲食店を「食べきり推進店」として紹介したり、それぞれの家庭で余った食品を持ち寄りフードバンクへ提供したりします。
また、普段捨てたり余らせたりしてしまっている食材を使ったレシピを募集し、区のホームページ上で公開されています。
SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を省略した言葉で、2015年9月の国連サミットで国連加盟193か国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標を指しています。
SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に対する取り組みとして、日本でも産業廃棄物の排出に伴う適切な処理についてルールが整備されています。「つくる責任、つかう責任」にはターゲットと呼ばれる、11の更に具体的な目標が掲げられており、そこには具体的に以下のような内容が示されています。
11のターゲットの例:
・2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
・2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。