事業系ゴミの処分方法・基礎知識・処分の流れ解説
オフィスや店舗から出るゴミや産業廃棄物は、事業者の責任において適切に処理しなければいけません。しかし、事業者が産業廃棄物の処理をすべて行うのは難しいのが現状です。そんなときに便利なのが、委託業者に依頼して最終処分する方法です。実際にどんな流れで処理するのか、詳しく見ていきましょう。
産業廃棄物とは、オフィスや店舗など事業所から出される廃棄物のこと。ただしすべてのごみが対象ではありません。法律で定められた20種類が産業廃棄物に分類されます。
産業廃棄物は、たとえ少量であっても産業廃棄物として処理することが義務づけられています。また爆発性や毒性のあるものは「特別管理産業廃棄物」に指定されています。上記以外の廃棄物は、一般廃棄物として処理するので注意が必要です。
産業廃棄物は処理に関して細かい基準が定められています。この基準は排出する事業者、処理業者ともに適用されるもの。処理業者任せにできないため、事業者も基準を確認しておく必要があります。
廃棄物の保管では、以下のような基準が設けられています。
生活環境の保全に努めるよう、保管基準を守らなければいけません。
産業廃棄物の収集運搬については、以下の基準が定められています。
保管のときと同様、生活環境に支障のないよう措置を取ることが求められています。
処分に関しても基準が設けられています。おもに委託業者に関係する内容ですが、守られていなければ事業者にも罰則が科せられるため注意が必要です。
産業廃棄物は4つの工程にわけて処理されます。先ほどの処理基準を確認しながら、流れを見ていきましょう。
産業廃棄物の分別や保管は、おもに事業者が行う作業です。保管基準に則り適切に保管するようにしてください。
委託業者は、依頼された産業廃棄物を収集し中間処理業者へと運搬します。運搬中は処理基準にも定められている通り、産業廃棄物が飛散や流出しないようにしなければいけません。また運搬車両や容器に関しても細かい規定が設けられています。
産業廃棄物は、最終処分をするために脱水や焼却などを行います。これを中間処理と呼んでいます。中間処理はリサイクルの前処理という重要な役割があり、産業廃棄物の分別は減量化が必要です。
中間処理された産業廃棄物は、再生処理や最終処分で幕を閉じます。最終処分の方法は以下の通りです。
正しく処理された産業廃棄物は埋め立てられても変化を起こさないため、環境への影響もありません。
産業廃棄物を処理する際に重要なのがマニフェストです。マニフェストとは処理の一連の流れが契約通りに処理されているかを確認するための伝票。正式には「産業廃棄物管理票」といいます。
マニフェストは事業者が委託業者に処理を依頼するときから書類を交わします。その後、委託業者は処理をする工程のたびに中間処理場や最終処分場などと書類を交わし、最終的に事業者へと戻ります。
マニフェストには産業廃棄物の種類や終了、運搬業者など必要事項を記載。産業廃棄物の動きとともに各所で確認することが義務づけられています。
産業廃棄物の処理を(産廃業者)に委託するときには、書面による契約が必要です。
排出事業者(ゴミを出す側の事業者)は、ある一定期間における廃棄物の種類、排出量、処理方法など、委託する内容を明らかにし、その処理を行う処理業者と書面で契約を締結しなければなりません。
契約の際には、排出事業者側も、廃棄物の処理を受託する処理業者側も、委託契約書について十分に理解しておくことが重要です。
産業廃棄物を処理するまでには、さまざまな工程があります。どの工程にも欠かせないのがマニフェストです。委託業者へ依頼する際は必ず自治体から許可を得ている業者を選び、マニフェストの取り交わしを行いましょう。正しい処理が行われるためにも、事業者は分別・保管についても熟知しておいてください。