事業系ゴミの処分方法・基礎知識・処分の流れ解説
「事業系ゴミの処理の責任は排出者にあるの?処理業者にあるの?」
「事業系ゴミの処理で気を付けるべきことを知りたい」
このように、事業系ゴミの処分の責任は誰にあるのか、不安に感じているオーナーの方は多いのではないでしょうか。この記事では、事業系ゴミの処理責任の基礎知識から事業系ゴミを適切に処理する方法を詳しく解説していきます。
事業系ゴミを処分する際、排出業者と運搬収集業者、処理業者と3社が関わります。3社が関わるのでどこに責任が伴うのか疑問に思うことも少なくありません。
処理の責任の所在を理解していないと、のちに罰則や罰金の対象となってしまう可能性があります。事業系ゴミの処理の責任所在を理解するためにも、この記事をチェックしてみてください。
事業系ゴミの責任は基本的に排出事業者にあります。収集運搬業者や処理業者が違反を犯したとしても、排出業者が罰則や罰金の対象となります。
廃棄物処理法では事業系ゴミの処理の責任について以下のように記載しています。
第三条 事業者は、事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。 第十一条 事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。 |
参照:環境省(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法))(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000137)
上記のように法律で定められているため、排出した事業者が処分まで責任を持たなくてはなりません。自社で処分すべきと述べています。しかし、自社で処分までできる企業は少なく、委託するのが現状でしょう。事業系ゴミの収集運搬から処分までを委託する場合は、以下の規定に従わなければなりません。
事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。 |
参照:環境省(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法))(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000137)
排出業者はちゃんと処分されているかを把握する義務があるというわけです。収集運搬から処分までの工程を把握をしていないと、行政処分や刑事罰の対象となります。
収集運搬業者や処分業者が違反を犯した場合の罰則や罰金は以下になります。
不法投棄 →5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金またはその両方(個人) ※法人の場合は3億円以下の罰金刑 マニフェスト不交付や虚偽 →1年以下の懲役または100万円以下の罰金 契約書の不交付 →3年以下の懲役または300万円以下の罰金またはその両方 許可証なし業者への依頼 →5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金またはその両方 |
参考:環境省(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法))
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000137
上記のように違反が起こると排出事業者は罰則・罰金の対象となるので注意が必要です。
事業系ゴミの処分で罰則や罰金の対象にならないようにするためには、以下3つのポイントを必ずするようにしてください。
・許可証がある適切な事業者に委託する
・委託契約を締結する
・マニフェストを必ず発行する
重要なポイントそれぞれを詳しくみていきましょう。
都道府県や自治体から許可を受けていない業者に事業系ゴミの処分を委託すると、必ず罰則があります。また、許可証がない業者は不法投棄をする可能性が高いです。
適切な処分業者を選ぶには、産業廃棄物なら都道府県からの許可証、事業系一般廃棄物なら自治体からの許可証があるかどうかの確認が必要です。
事業系廃棄物を処分する際は、委託する業者と契約書を交わさなければなりません。契約書を交わさないと罰則の対象となります。また、契約書には廃棄物処理業の許可証のコピーを添付する必要があります。
許可証の添付ができない業者は悪徳業者の可能性が高いでしょう。収集運搬や処分でなにかあった場合にも契約書が必要になるため、忘れずに締結するようにしてください。
事業系ゴミを排出する業者は、マニフェストを収集運搬業者と処分業者に交付しなければなりません。マニフェスト交付しないと罰則の対象となります。マニフェストには収集運搬から処分までの過程が記録されており、適切に処分されているかを把握できます。
行政からのチェックが入る可能性があるため、発行から5年間は保存しなければなりません。また、年に1回どれだけマニフェストを使用したか報告する義務もあります。事業系ゴミを排出する際はマニフェスト交付を忘れず、また紛失しないように保管しておきましょう。
この記事では、事業系ゴミの処理責任の基礎知識から事業系ゴミを適切に処理する方法を詳しく解説してきました。
事業系ゴミの処理責任はすべて排出事業者になります。
行政処分の対象にならないためには、信頼できる適切な収集運搬業者と処分業者に委託する必要があります。事業系ゴミの処分で罰則や罰金の対象にならないようにするためにも、この記事を参考にしてみてください。