東京都文京区の事業系ゴミ(産業廃棄物)の捨て方・条例・ルール・罰則を解説します
文京区の事業に関しては、公式サイトにおいて平成28年度の調査結果が公表されています。これによると、区内にはおよそ1万3000の事業所が存在。中でも最多となっているのが卸売・小売業で、約3,100の事業所があります。
次いで、不動産業と飲食業も盛んで、事業所の数はそれぞれ1,500程度です。他には学問や研究、医療についても特色があるエリアで、多数の有名校や大病院を有しています。
製造業は文京区の重要な産業の一つと言え、実に1,100もの事業所が存在。特に業務用機械器具の製造が中心と言えます。
他には製本・印刷業も盛んで、これらの事業所が集積しているのも文京区の特徴です。中でも本郷三丁目駅周辺のエリアには、多数の印刷業者が拠点を構えています。
このような特徴から、区内の製造業で取り扱う製品は、製本・印刷関係の機械類が大半。実際に製造業の内訳を見ると、印刷関係を扱う製造業者が、全体のほぼ半数を占めています。
文京区は用途地域の中でも、第1種中高層住居専用地域に指定されているエリアが多いのが特徴です。第1種中高層住居専用地域は、住民にとって静かで暮らしやすい環境を整備するのが特徴。特にアパートやマンションなどの、大規模な居住向け物件の建築に適しています。近隣に設置される大学や商業施設などの規模は500平方メートルまでなど、建築制限は厳しめです。
特に区の東側、本駒込から本郷にかけて、広大な第1種中高層住居専用地域の指定エリアがあります。このエリア内には、東大や日本医科大学などの有名校が多数。学問の街としても知られる、文京区らしさが感じられます。学生が多い分は飲食店が良く利用されるため、食品廃棄物やペットボトルなどのプラスチックごみの排出量が多いでしょう。
文京区は近代的に発展しているだけではなく、自然や伝統も大切にしている都市です。特に小石川植物園は、東大の研究施設だけあって大規模。一般公開されているので、気軽に四季折々の自然を楽しめます。伝統建築物としては、六義園が代表的です。1695年から造成され始めた壮麗な日本庭園で、伝統的な和風建築と豊かな自然が織りなす景色は高く評価されています。
文京区において、不用品はごみと資源に分別して集積場に出すと言う基本部分は、家庭・事業ごみのどちらも同じです。ただし、事業ごみの回収は有料となっており、事業ごみ処理券を購入して貼付する義務があります。また、排出日量が50kgに満たないか、従業員20人以下の事業所でなければ利用できないなどの条件にも要注意。
これらの条件を満たさない場合は、自身で処理施設に運び入れる他、専門の業者に依頼する必要があります。また、事業によって排出された産業廃棄物は、回収サービスの対象になっていません。これらも自身で処理するか、業者に任せましょう。
マニフェスト(manifesto)は、個人や団体が方針や意図を公に発信するための文書や演説のことを言い、産業廃棄物のマニフェストは、排出事業者が産業廃棄物の処理を産廃業者に委託するにあたり、委託契約内容に基づき適正に処理されていることを確認するために必要な事項を記載し交付される伝票のことを指しています。
排出事業者とはごみを出す法人のことを言い、東京23区については日量100キログラム以上排出する事業者もしくは臨時で排出する事業者は事業系一般廃棄物についてもマニフェストの作成が義務付けられています。
文京区で産業廃棄物の処理を委託する際の、費用目安を確認しましょう。今回は一般的に見かけることが多い、未分別の混合廃棄物についてリサーチしました。
・ごみ.Tokyo:1立方メートル当たり約8,550円
・A社:重量物が入っていない混合廃棄物1立方メートルあたり9,000円から
・B社:軽量混合廃棄物1立方メートルあたり13,000円から
・C社:混合廃棄物1立方メートルあたり18,500円から
・D社:軽量混合廃棄物1立方メートルあたり14,300円から
・E社:軽量混合廃棄物1立方メートルあたり14,300円から
主にフードロスの削減と、リサイクルの推進を行っているのが文京区の特徴です。まず、フードロスの削減については、「ぶんきょう食べきり協力店」と呼ばれる独自の制度を用意。一定の基準を満たす店舗には、協力店ステッカーや登録証が贈られます。飲食店のイメージアップに繋がる他、文京区の運用しているサイトで取り組みを紹介してもらえるなど、メリットは豊富です。登録条件は食べきりサイズのメニューの提供や、賞味期限切れが近い製品の値引きなど。多彩な条件のうち一つを満たせば、登録できます。
他には、フードドライブと呼ばれる、余ってしまった食べ物の寄付活動にも要注目です。NPO法人を通して、家庭で食べきれなかった食品を集め、福祉団体などに寄付しています。文京区役所にあるリサイクル清掃課が受付窓口となっており、気軽に寄付を行えるのが魅力です。他には、食品ロスを減らすための啓発活動も行っています。具体的には、食品を無駄にしないための買い物術や料理方法などのノウハウを、WEBサイトなどで公開中です。
また、不用品の再資源化を促進するため、「リサイクル推進協力店」の制度を設けています。こちらも協力店として登録すると、ステッカーをもらえる他にWEBサイトで紹介されるなど特典は多彩。具体的には、マイバッグの利用推進などに取り組むことで、認定を受けられます。
SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を省略した言葉で、2015年9月の国連サミットで国連加盟193か国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標を指しています。
SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に対する取り組みとして、日本でも産業廃棄物の排出に伴う適切な処理についてルールが整備されています。
「つくる責任、つかう責任」にはターゲットと呼ばれる、11の更に具体的な目標が掲げられており、そこには具体的に以下のような内容が示されています。
11のターゲットの例:
・2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
・2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。